ワールドシリーズはRソックス×カブス? 大リーグ専門誌が分析。

2008/09/30 21:56 Written by コジマ

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激戦が繰り広げられた米大リーグのレギュラーシーズンもまもなく終了し、10月1日(日本時間2日)からプレーオフが始まる。各リーグの進出チームを整理すると、ア・リーグは東地区1位のタンパベイ・レイズ、西地区1位のエンゼルス、昨年の覇者ボストン・レッドソックはワイルドカードで駒を進めた。ナ・リーグは東地区1位のフィラデルフィア・フィリーズ、中地区1位のシカゴ・カブス、西地区1位のロサンゼルス・ドジャースに加え、ミルウォーキー・ブルワーズが1ゲーム差でワイルドカードをつかんでいる。

唯一決まっていないのが、9月29日の試合でシカゴ・ホワイトソックスが粘ったア・リーグ中地区。30日のミネソタ・ツインズと直接対決するワンゲーム・プレーオフで地区優勝とプレーオフ進出が決定する予定だ。

こうした中で、大リーグ専門誌「月刊スラッガー」最新号がプレーオフに進出した各チームの戦力を分析し、ワールドシリーズ制覇に最も近いチームを算出。その結果、レッドソックスとカブスという日本人選手が在籍する2チームが最も高い「総合A」の評価を得た。

同誌は、プレーオフ勝利に必要な「絶対的なクローザー」「奪三振率の高い投手陣」「堅いディフェンス」の3大要素を各チームで比較した。これは、客観的なデータをもとに野球の選手評価や戦略などを考えるサイエンス、セイバー・メトリックスのシンクタンクである「ベースボール・プロスペクタス」が弾き出した要素。守備に寄っている感があるが、短期決戦で投手力の高いチームが多いプレーオフでは、打撃以上に勝利との関連性が高いという。

1つめの「絶対的なクローザー」では、何と言ってもメジャー新記録を更新する年間62セーブ達成した「K・ロッド」ことフランシスコ・ロドリゲス投手(エンゼルス)が注目される。プレーオフ進出チームではレッドソックスのジョナサン・パペルボン投手が41セーブで2位のため、その差は歴然だ。

しかし、F・ロドリゲス投手は走者を出すことが多く、防御率、セーブ成功率、投球回あたり与四球・被安打数合計(WHIP)、奪三振/与四球の比率(K/BB)の4要素で見てみると、平均を上回っているのは防御率とセーブ成功率だけ。この評価では斎藤隆投手(ドジャース)のほうが上回っている。全項目で平均を上回ったのは、ジョナサン・パペルボン投手(レッドソックス)のみだった。これらのことから各球団のクローザー評価は、ア・リーグではレッドソックスとツインズがA、エンゼルスとホワイトソックスがB、レイズがD、ナ・リーグではフィリーズがA、ドジャースがB+、カブスがB、ブルワーズがC-となっている。

次に「奪三振率の高い投手陣」。先発投手陣の奪三振率を見てみると、ア・リーグではレッドソックス(7.12)、ナ・リーグではカブス(7.36)が各リーグで傑出している。特にカブスについて、同誌は「こと奪三振という観点では、カブス先発陣は最強と言っていい」と評するほどだ。以上のことから各球団の奪三振率評価は、ア・リーグではレッドソックスがA、レイズがB、ホワイトソックスがB-、エンゼルスがC、ツインズがD、ナ・リーグではカブスがA、ドジャースがB+、ブルワーズがB-、フィリーズがC-となった。

最後の「堅いディフェンス」については、守備効率、守備率、非自責点で比較。すると、すべての項目で全球団中トップ10に入ったのはレッドソックスとレイズだけという意外な結果が出た。特にア・リーグ中地区の優勝を争っているツインズとホワイトソックスは、全項目がほぼ20位以下だ。また、前2要素で高評価を得ていたドジャースもここで評価を落としている。各球団の守備評価は、ア・リーグではレッドソックスとレイズがA、エンゼルスがB、ホワイトソックスとツインズがD、ナ・リーグはカブスとフィリーズがB、ブルワーズがC、ドジャースがDとなっている。

以上の3要素を総合した結果は以下のとおり。3要素をすべてクリアしたのはレッドソックスのみで、同誌は「全体的にも弱点のないチーム」と評し、ジョシュ・ベケット投手が復調すればワールドシリーズ進出も不思議ではないとしている。一方、ナ・リーグではカブスが頭ひとつ抜けており、昨年に引き続きワールドシリーズで日本人選手同士の対決が楽しめそうだ。

◎3要素総合評価(月刊スラッガー調べ)
【ア・リーグ】
レッドソックス A
レイズ B+
エンゼルス B
ホワイトソックス B-
ツインズ C
【ナ・リーグ】
カブス A
フィリーズ B-
ドジャース B-
ブルワーズ C

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