ACL地上波中継なしのテレ朝に見切り? 放映権の他局譲渡も検討。

2008/09/17 23:12 Written by コジマ

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サッカークラブのアジア王者を決めるアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメントが9月17日、ついに始まった。今大会は前回優勝の浦和に加え、グループリーグを1位で通過した鹿島、G大阪と、Jリーグから3クラブが準々決勝に進出している。

ACLは、不定期開催だったアジアチャンピオンクラブズトーナメントやアジアクラブ選手権の後を引き受け、アジアカップウィナーズカップやアジアスーパーカップと統合して始まった大会。欧州チャンピオンズリーグをモデルにしており、昨季は浦和が日本クラブとして初の栄冠に輝いたことから、日本での注目度が上昇している。

さらに今季は3クラブが決勝トーナメントに進んだことから、アジア連盟や日本協会の関係者は国内での盛り上がりを大いに期待しているようだ。初日は鹿島がホームでアデレード(オーストラリア)と対戦し1-1で引き分け、浦和はアルカディシア(クウェート)、G大阪はアルカラマ(シリア)とともに敵地で対戦する。

ところが、この準決勝の中継予定を見るとBS朝日、CSのテレ朝チャンネル、NHK-BSのみ。地上波の放映権を持っているテレビ朝日だが、限られた人しか見られないBSとCSでしか放送しない。テレビ朝日は大会創設の02-03年シーズンからアジア連盟と放映権を締結しているものの地上波中継はほとんどない状況で、昨季も地上波放送は予定していなかったが、浦和が決勝に進出したことから急遽第2戦のみを地上波で生中継した。

こうした状況に対し、アジア連盟がついに痺れを切らした。同連盟プロリーグ特別委員会の鈴木徳昭副委員長が、2013年からの放映権について他局と契約を結ぶことを示唆したのだ。

アジア連盟や日本協会は、テレビ朝日が地上波中継しないだけでなく、番組で特集を組むなど局を挙げて盛り上げるよう動いていない点に不満を抱いている。特に視聴者の多い「報道ステーション」では、ACL関連のニュースをほとんど取り扱わない。東京スポーツによると、この原因はキャスターを務める古舘伊知郎のサッカー嫌いにあるという。

この報道を受けてか、同番組の9月17日放送分では鹿島がアデレードに引き分けたことをスポーツコーナーのトップで伝えたが、大リーグやプロ野球に比べると扱いは小さいといわざるを得ない。

ACLの放映権は、クラブワールドカップを中継した日本テレビが狙っているという。テレビ局は、ACLを視聴率の取れるワールドカップ(W杯)放映権獲得の布石として捉えているとの指摘もあるが、日本テレビはニュース番組などでACLを取り扱っていることから、テレビ朝日よりも期待できるとの見方が強い。ACLは来季に参加クラブを増やすなどリニューアルすることもあり、国内での盛り上がりに欠かせない中継局の選択は、いままで以上にシビアになりそうだ。

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