2008年度世界大学ランキング発表、アジアトップは東大の19位。

2008/09/12 23:09 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


日本の学力低下が指摘されて久しいが、国連開発計画(UNDP)が毎年発表している健康(平均余命)、教育、生活水準(国内総生産=GDP)の各指数を合算した「人間開発指数(HDI)」の最新版によると、日本は前回よりも1つ順位を落として8位だった。上位であることには間違いないものの、世界一の長寿国であること、GDPも世界の8〜9%を占めている(米国に次いで2位)ことを考慮すると、教育の指数が低いことが浮き彫りとなる。

実際にHDIの内訳でも、健康指数はトップ、生活水準指数は17位で、教育指数はバーレーンやボリビアを下回る42位だった。昨年の46位よりは上昇したが、各指数に比べて大きく順位を落としているのは、社会人大学生や編入者が少ないことが原因となっているようだ。

こうした中で、中国の上海交通大が「世界の大学ランキング500(Top 500 World Universities)」の2008年度版を発表した。アジア太平洋地域だけを見ると東京大が1位、京都大が2位にだったが、全体では英米の大学に圧倒されてそれぞれ19位、23位。東京大は1つ順位を上げたが、京都大は1つ順位を落とし、今回も日本の大学のトップ10入りはならなかった。

この調査は、ノーベル賞受賞者数や学術誌に引用された論文数をもとに順位を決定するもので、03年から毎年行っている。毎回、米国の大学が上位を独占しており、昨年はトップ10中8校を占めていた。

今年度もトップ10は全く同じ顔ぶれとなっており、トップ20でも英ケンブリッジ大(4位)、英オックスフォード大(10位)、東京大(19位)を除く17校が米国の大学。また、トップ100でも米国の大学が54校でダントツの1位(2位は英国の11校、3位はドイツの6校)だった。こうした米国の大学が多い要因として、論文の発表が英語を基本としていることが指摘されている。トップ10は以下のとおり。

1位 ハーバード大(米国)
2位 スタンフォード大(米国)
3位 カリフォルニア大学バークレイ校(米国)
4位 ケンブリッジ大学(英国)
5位 マサチューセッツ工科大学(米国)
6位 カリフォルニア工科大学(米国)
7位 コロンビア大学(米国)
8位 プリンストン大学(米国)
9位 シカゴ大学(米国)
10位 オックスフォード大学(英国)

一方、アジア太平洋地域に限定すると、東京大が1位、京都大が2位、 オーストラリア国立大が3位(オーストラリア、全体で59位)、エルサレム・ヘブライ大(イスラエル、同65位)、大阪大が5位(同68位)、メルボルン大(オーストアリア、同73位)、東北大が7位(同79位)、シドニー大が8位(オーストラリア、同97位)となっており、日本とオーストラリアが大半を占めている。一方、日本の私大トップは慶応大の23〜41位(全体で201〜302位)だった。日本の国内トップ10は以下のとおり。昨年、全体で98位だった名古屋大、99位だった東京工大はいずれもトップ100から転落している。

1位 東京大(19)
2位 京都大(23)
3位 大阪大(68)
4位 東北大(79)
5位 九州大(101〜151)
5位 名古屋大(101〜151)
5位 東京工大(101〜151)
8位 北海道大(152〜200)
8位 筑波大(152〜200)
10位 広島大(201〜302)
10位 慶応大(201〜302)
10位 神戸大(201〜302)
※カッコ内の数字は全体の順位

この調査は、中国の大学が世界の大学と比べてどのくらいのギャップがあるのか示すことを目的としてるが、中国の大学は南京大、北京大、上海交通大、清華大などの201〜302位(アジア太平洋地域で23〜41位)が最高となっている。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.