FIFAが23歳以下選手の五輪供出義務を明文化へ、IOCも同調。

2008/08/09 10:44 Written by コジマ

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いよいよ開幕した北京五輪。すでに日本代表はサッカーの男女が1試合ずつを行っているが、男子が米国に敗戦、女子は格下に引き分けるなど順風満帆の船出とはならなかった。その一方で、五輪連覇を狙う男子サッカー優勝候補のアルゼンチンは初戦のコートジボワール戦に快勝。左ウィングとして先発出場したFWリオネル・メッシ選手(バルセロナ)は、先制ゴールを含む2得点に絡む活躍を見せている。

そんなアルゼンチンも、メッシ選手の五輪出場をめぐって代表とクラブの間で騒動が起こるなど、ここまでの道は決して順調ではなかった。バルセロナは昨季の不振から欧州チャンピオンズリーグへ予選から出場しなければならず、日程は五輪開催期間と重なっていた。

メッシ選手はバルセロナで右ウィングを務めており、控えのボージャン・キルクッチ選手はまだ17歳と若い。またプレシーズンマッチでは本来は守備的MFのトゥーレ・ヤヤ選手も右ウィングで起用したが、いずれにせよ戦力ダウンは否めない状態だ(ただ、スペイン組不在ながらも完勝している)。そのため、クラブ側はメッシ選手を五輪の準々決勝からの出場を許可する意向を示し、アルゼンチン代表のセルヒオ・バティスタ監督は招集をあきらめる発言をしていた。

五輪ではこれまでもオーバーエイジ枠選手の招集で問題が発生していたが、今回はメッシ選手をはじめドイツなどでクラブ側が23歳以下選手の参加要請を断る例が相次いだ。国際サッカー連盟(FIFA)は23歳以下選手の五輪出場を義務として供出を渋る各クラブに苦言を呈したものの、この“圧力”に対してバルセロナ側はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に直訴。CASはFIFAが明確な規定を設けていないことを理由に、クラブに選手の供出義務がないと裁定している。

結局、メッシ選手らは五輪に参加できることになったが、FIFAのジョセフ・ブラッター会長はこうした事態を繰り返さぬよう、2012年のロンドン五輪へ向けて所属クラブに選手供出を義務付ける規定を明文化する意向を明らかにした。

これについて、国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長も「五輪サッカーをFIFAの公式行事と定めれば問題は解決する」(サンケイスポーツより)と同調。ロンドン五輪では今回のような騒動が回避され、ブラジル代表FWアレシャンドレ・パト選手(ミラン)をはじめ現在19歳以下の選手がすんなりと出場できることになりそうだ。

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