ウシに南北の方角を感知する感覚、体内に磁気コンパスを持っている?

2008/08/29 06:36 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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人間には五感がありますが、このほかにもヒトにあれば便利だなぁ、と思う感覚があります。ハトなどの帰巣本能のある動物が持つことで知られる、地球の磁気を感じ取って方向を知る感覚も人間にはないものですが、人間と同様、これまで持っているとは思われていなかったウシには、実はこの感覚があるらしいと、最近の研究で分かってきました。

ドイツのドゥイスブルク・エッセン大学の研究グループは、「Google Earth」を使って世界中の牧場の衛星写真を分析し、合計8,000頭以上のウシが顔を向けている方向を調べたところ、ウシたちは6〜7割の確率で南北に沿った方向を向いていたというのです。

これは草を食べている時や休んでいる時など、行動に関係なく観察された習性。体の中に何らかの形で地球が持つ磁気を感じ取るシステムがあるのでしょうけど、ウシのような大型の動物が、このような磁気感覚を持っている可能性が認められたのは、生物学的には驚きな発見なのだとか。

ちなみに、これまでウシには「太陽に対して垂直に立つ」「風の吹く方向と平行に立つ」といった習性があることは知られていました。こうした習性が、ひょっとすると磁気感覚で説明できるのかもしれません。研究グループは今後、馬や羊などにも同様の感覚が見られるかどうかを調査していくそうです。

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