イベントや企業のプレス発表などがあると、報道陣に配られるプレスキット。今年7月に開かれた洞爺湖サミットでは、マイ箸や充電式電池、USBライト、腕時計のほか、ビールとジンギスカンが無料で提供されるなど、豪華な内容に多少の批判も出ていた。

現在開催中の北京五輪でもこのプレスキットが世界中の報道陣に配られているようで、サンケイスポーツでは一部を紹介している。その中に北京五輪のロゴがデザインされた携帯ラジオがあるのだが、ロゴは印刷されたものではなくシールで、さらにそれをはがすと「ゆうこりん」ことタレントの小倉優子の写真が現れたという。

同紙は携帯ラジオを4台入手しており、そのうちの3つにゆうこりんの写真、残り1台は不明ながら有名人と思しき女性の写真が隠れていたそうだ。同紙に掲載されている写真を見る限り、この携帯ラジオは中国深セン市にあるShenzhen BOOTY Technologyという会社の「BT-810」製品の模様。同社の公式サイトを見てみると、携帯電話や携帯音楽プレーヤーなどの外殻を利用したラジオを多数販売しているようで、「BT-810」は液晶画面とみられる箇所にラジオの周波数が表示されている。

しかし、その他の製品を見てみると液晶部分に有名人の写真がはめ込まれており、「BT-812」という機種にはゆうこりんが登場している。日本企業などの製品ならばカタログで液晶画面のイメージとして写真をはめ込むことはあるが、今回のプレスキットを見る限り、Shenzhen BOOTY Technology社はイメージではなく本当にその写真を製品に入れているようだ。

世界中の記者に配られるプレスキットの内容が市販品にシールを張り付けただけというのにも驚かされるが、それをはがすと他国の有名人が出現するとは、前代未聞のことではないだろうか。思わぬところで世界中に“配布”されたゆうこりん、海外の記者から「この女性は誰だ？」という話題が出てくるかもしれない。

ただ、写真を無断で使用している可能性もあることから、肖像権の問題が発生する懸念もある。同社ではこのほか、サッカーのデイビット・ベッカム選手やバスケットボールのコービー・ブライアント選手らの写真を使用した製品も販売しているようだ。