ダルビッシュ有投手はメジャーで通用するか、現役スカウト部長が分析。

2008/07/31 23:58 Written by コジマ

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2005年の初登板・初勝利以来、わずか3年で日本球界を代表する投手に成長した日本ハムのダルビッシュ有投手。昨季はわずか0.003点差で最優秀防御率のタイトルを逃したが、最多奪三振やゴールデングラブ賞などを獲得したほか、1993年の今中慎二(元中日)以来、14年ぶりに選考基準の全項目を満たして沢村賞を受賞している。今季も球宴前までで11勝4敗(リーグ2位)、防御率2.07(同1位)、150奪三振(同2位)と絶好調だ。

こうして弱冠21歳ながら日本球界、ひいてはアジア球界を牽引する存在となったダルビッシュ投手、星野仙一日本代表監督からは北京五輪のエースに指名されているが、当然ながら米大リーグからも熱い視線を浴びている。

特に今年に入ってから米メディアで盛んに特集が組まれ、4月にAP通信が世界に配信した記事では、オリックスのグレッグ・ラロッカ内野手による「これまでに対戦した最高の投手の1人。彼は間違いなく日本のトップ投手で、メジャーでも衝撃を与えるだろう」というコメントや、トレイ・ヒルマン前日本ハム監督(現カンザスシティ・ロイヤルズ監督)の「世界最高の投手になる可能性がある」などの絶賛コメントが掲載された。また、5月に放送局ESPNが組んだ特集では、メジャー移籍の入札額を7500万ドル(約78億円)と予想。ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手を上回る期待が示されていた。

こうした中で、ダルビッシュ投手の現能力と将来性を、大リーグの現役スカウト部長が詳細に分析している。これは日本の大リーグ専門誌「月刊スラッガー」最新号に掲載されているもので、分析したのは同誌でおなじみの「某球団現役スカウト部長」。本来なら関係者しか目にすることができない極秘資料だという。

分析は「速球」「カーブ」「スライダー」「スプリッター」「全体のコントロール」「総括」の6項目を、最低の「2」から最高の「8」までの7段階で評価。また、投球フォームについても12分割した連続写真で詳細にレポートしている。いずれも「メジャーリーグで投げた場合」の見通しだ。

「速球」については「現時点6、将来7」と評価。そのコントロールはともに「6」をつけている。全体的に高く評価しているが、「後ろ足の曲げ幅を小さくし、ストライドをわずかに狭めれば、もっと球速を上げられるだろう」とのアドバイスや「ストライドがとても大きいので、逆サイドへ放るのにやや難がある」とのマイナス点も示した。

変化球については、「カーブ」は「現時点4、将来5」でコントロールはともに「4」、「スライダー」はともに「6」でコントロールは「現時点5、将来6」、「スプリッター」は「現時点6、将来7」でコントロールはともに「5」とし、「全体のコントロール」は「現時点6、将来7」と評価。これらを総合した「総括」では、「現時点6、将来7」との高い得点が示された。ちなみに「6」は「平均より上」、「7」は「平均よりかなり上」とされている。

こうした点を踏まえて、このスカウト部長は「ダルビッシュは今でも間違いなくメジャーで通用する」「私がこれまで見たなかで有数の投手であり、最終的にはメジャーリーグでオールスターに選ばれることも可能だ」(スラッガーより)と評価した。しかし「最初はおそらく先発4番手だろうが、最終的には安定した2番手になるだろう」と、エースにはなれないことを示唆している。

大リーグの現役スカウト部長からかなりの高評価を得たダルビッシュ投手だが、本人は試合中継を見ないほど大リーグに興味なく、移籍については一貫して否定している。日本のプロ野球ファンとしてはありがたいことだが、その一方で、大舞台でその実力がどこまで通じるかを見てみたいファンも少なくないだろう。

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