手術回避は移籍の布石? 松井秀喜外野手に「今オフ阪神入り」報道。

2008/07/30 10:56 Written by コジマ

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今季開幕前に放出の噂が絶えなかった米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜外野手だが、フタを開けてみれば打率は3割を大きく超え、一時はア・リーグ1位となるなど絶好調。主砲アレックス・ロドリゲス内野手の故障中は4番に座ったほどで、ヤンキースに欠かせない存在であることを証明した。今年3月に結婚したこともあり、順風満帆なシーズンになりそうだった。

ところが好事魔多し。昨年11月に手術を受けた右ひざは順調だったものの、それをかばっていた左ひざの古傷が悪化し、6月に故障者リスト(DL)入りしてしまう。精密検査の結果、手術が不可避であることが発表され、球団も手術を勧めていたが、松井選手はこれを拒否。事態を重く見た球団は、シアトル・マリナーズを解雇されたリッチー・セクソン内野手に続いて、ピッツバーグ・パイレーツのエグゼビア・ネイディ外野手をトレードで獲得し、さらには元サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズ外野手もリストアップしているという。この流れからすると、どうやら手術勧告を拒否した松井選手は、今季構想外とみなされているようだ。

医師と球団が勧めているにもかかわらず、松井選手はなぜ手術を拒否したのか。7月29日発売の「フラッシュ」は、松井選手が今季をヤンキースでの最終年と考えているため無理してでも出場したいこと、さらにその先に阪神への移籍の可能性があることを伝えている。

巨人時代に574試合で連続フルイニング出場を記録し、メジャー移籍後も2006年に左手首を骨折するまで日米通算で1768試合連続出場していた松井選手だが、同誌は近年頻発しているひざの故障について体重増加を原因の1つに挙げている。プロ入り当時の90キロから、ヤンキース移籍時には95キロとなり、現在は104キロと、15年で14キロも増加。パワーが求められるメジャーでは必須の体重増加だが、それがひざに負担をかけているという。

そこで選手生命も危ぶまれるほどの重傷を負ってしまったのだが、今年に入ってから松井選手は「N.Y.に来るなら今年…」や「来年は(N.Y.)にはいない…」といった言葉やメールを周囲に漏らしているのだとか。移籍もしくは引退を視野に入れているとも受け取れるため、現地記者は「もしかしたら、時間はそう多くはないと考えているのでは。ヤ軍移籍時も『最後は日本でもう一度やりたい』と語っていた。ひざを考えたら、その時期が早まったということでしょうか」(フラッシュより)との見解を示している。

ヤンキースとの契約は2年を残しているが、球団は手術でひざを完治させてから他球団に高く売りたいとの思惑があるという。しかし、ケガを抱えた状態では米国での移籍は難しい状態だ。松井選手はトレードの拒否権を持っているものの、手術回避はこうした球団の目論見を防ぎ、オフにじっくりと治すことをにらんでのことかもしれない。ただ、日本球界復帰の可能性も否定できないだろう。

松井選手は、今年3月に「週刊文春」のインタビューで「契約のことを考えれば、今年が大事な年になるのは分かっています」「(ヤンキースに)しがみつくという気はない」としながらも、「(日本球界に)戻るのも勇気がいることでしょう。(自分がメジャーの魅力に)とりつかれているかは分からないけど、僕は戻りたいという気持ちがないから。その選択肢はない」ときっぱり否定していたが、今回フラッシュの取材に対しては、日本を含めた移籍や引退について「絶対ゼロとは言えないけど、限りなくゼロに近い。ありえないことということ」と回答。コメントはやや弱まっている印象を受ける。

日本球界復帰となると真っ先に挙げられるのが古巣の巨人だが、02年にビジター用のユニホームのロゴを「TOKYO」から「YOMIURI」に変更した際に批判し、04年からヤンキースタジアムに「読売新聞」の広告が掲示されるようになった際も憤慨していた経緯から、同誌は松井選手の巨人への不信感は根深いとし、巨人時代の担当記者による「日本復帰となれば、もともと意中球団であり、財力、人気面から阪神しかないのです」(フラッシュより)とのコメントを紹介している。

星陵高時代からファンを公言していただけに、松井選手の阪神入りの噂は根強い。結婚相手について、友人に「(結婚した年に)成績を下げ、彼女をサゲマンにさせるわけにはいかない。まだまだやれるところを今年と来年で見せます!」(フラッシュより)と語っていたという松井選手が選ぶのはどの道なのか、今後の動向が注目される。

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