低所得者向けの「食料費援助制度」を受ける大学生が増加傾向に。

2008/07/28 15:11 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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「フード・バンク」という言葉をご存知でしょうか。米国で行われている、低所得者または無所得者向けの食料費援助運動のことで、一般的にそうした人々に無料でパンや牛乳などを支給する施設・団体を指します。日本でも同じような試みが行われており、にわかにメディアにも取り上げられる機会が増えているため、ご存知の方も多いかもしれません。

「フード・バンク」は、1964年から貧困対策のひとつとして米政府が制度化した「フードスタンプ」と同様、食べる物に困っている市民をサポートするために重要な役割を担っています。ちなみに「フードスタンプ」はデビット・カードとして支給され、スーパーで食料品の買い物が出来る仕組み。しかし、ビールなどの嗜好品は対象外となります。

さて、この「フード・バンク」や「フードスタンプ」。今まではホームレスや、所得の少ないシングル・マザーといった人々が申請を行っていたのですが、最近はまた新しいタイプの利用者が増えているそうです。

それはなんと大学生たち。

米国の大学生は、学生ローンやアルバイトなどで授業料や生活費を支払っているケースが珍しくありません。親からお小遣いをもらい、悠長に暮らすなんて贅沢なことは、日本と比べると少ないようです。

そして、最近の物価上昇で生活に厳しさを感じる人々が多い中、そのダメージは苦学生にも容赦なく振りかかっているのでした。そんな彼らは親に援助を求めるのも申し訳ないと、公共のサービスを活用しているのです。

ワシントン州はシアトルにある食料品では、ここ数年、近くの大学から学生がやってくるようになりました。毎週約150人ほどが食料の提供を受けているそうで、施設全体の利用率も昨年から25%上昇していると言います。米国の大学生の置かれている状況は、結構シビアなんですね。

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