手製弁当や水筒もNG、楽天本拠地の飲食物持ち込み規制に不満も。

2008/07/20 21:56 Written by Narinari.com編集部

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テロや犯罪対策の一環として、「人が集まる場所」での手荷物検査が厳重になっている昨今。大きなイベントやテーマパークなどでも、入場の際にカバンを開けてチェックするのは珍しい光景ではなくなってきたが、試合が行われれば数万人が集う野球場も例外ではなく、一部では厳しいチェックが行われているのが現状だ。そして、持ち込み規制のガイドラインに反する荷物に関しては、入り口で預けるか、廃棄を求められることになる。

野球場の中で、特に持ち込み規制が厳しいのは楽天の本拠地「クリネックススタジアム宮城(通称Kスタ)」だ。まず、楽天の公式サイトにある「スタジアムルール」のページに挙げられている「お持ち込みを禁止している物」の一部を見ておこう。

◎「クリネックススタジアム宮城」に持ち込めないもの(一部)
「ビン・缶・ペットボトル・水筒・パック飲料等」
「スタジアムで販売されている以外のお弁当などの飲食物(スタジアムで販売されている飲食物は、スタジアム指定の容器に入っているか、またはスタジアム指定のシールが添付されている)」
「体調やその他しかるべき理由・乳幼児のミルク(哺乳瓶)・その他の理由に関しては、持ち込み許可についての事前の申請が必要」

このように、飲食物に関しては球場内で販売されているもの以外は持ち込むことができないルールになっている。ただ、これと同様のルールはそう珍しいものではなく、他球場でも、イベント会場などでも見られるものなのだが、「クリネックススタジアム宮城」が厳しいと言われる理由は、このルールをかなり徹底しているから。ルールは存在しつつもペットボトルや缶、ビン以外は黙認したり、ケースバイケースで対応する球場やイベント会場が多い中で、「クリネックススタジアム宮城」は粛々とルールに則った対応を見せているため、一部からは「厳しすぎる」との不満の声が漏れているようだ。

河北新報は、ある家族が「クリネックススタジアム宮城」で食べようと手作り弁当を持ってきた際に、手荷物検査で「場内で買った食べ物以外は外で食べるか、お預かりします」と言われ、やむなく交代で球場の外に出て食べたというエピソードや、おにぎりやスナック菓子が手荷物検査で引っかかっているという様子を紹介している。「楽天は規制が最も厳しく、評判が悪い」との意見もあるようだ。

ペットボトルや缶、ビンなどは、容器ごと、もしくは不審な液体がグラウンド内に投げ込まれたり、テロに使われるのを防ぐという安全管理の面でも、妥当な対応だろう。ただ、手作り弁当やスナック菓子に関しては球場内売店の収益確保という意味合いが強く、安全管理を理由に始まったはずの手荷物検査が、商業的な理由で「利用」されてしまっていることに、違和感を感じるファンも少なからずいる模様だ。

こうした状況に、ネットでは批判的な意見だけではなく、「ルールだから」と冷静に理解を示す意見もあるが、総じて「球場の食事は高くて美味しくない」「飲み物は、同じモノでも球場の内外で価格差がありすぎる」「球場内の弁当は売り切れてしまうことがある」という点に不満の声が上がっている。まとめると「持ち込み禁止でも良いけど、それならば高いお金を払っても納得できる飲食物を潤沢に提供して欲しい」といったところだ。また、そうした球場内の飲食物への不満が、飲食物持ち込みがなくならない理由のひとつであり、手荷物検査で注意を受けると、せっかく球場に足を運んでくれた貴重なファンに嫌な思いをさせてしまう……といった悪循環を生んでいるとの指摘もある。

過去に手荷物検査や持ち込み規制が話題を呼んだ例としては、2005年の愛知万博が記憶に新しい。当初、安全上の問題と会場内施設の利益確保の面から、会場内への飲食物は一切持ち込み禁止というルールが定められ、やはり手荷物検査の段階で預けるか、廃棄かの選択を迫られていたが、これには来場者から不満が噴出。ネットでも激しい批判が起き、結局途中からお弁当の持ち込みはOKとなった。

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