若い女性がサッカー観戦を敬遠? 理由は初観戦での「疎外感」。

2008/07/12 09:51 Written by コジマ

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かつてはプラチナ化していたサッカー日本代表戦のチケットだが、イビチャ・オシム前監督時代から販売不振が報じられ、岡田武史監督が指揮を執る現在も回復していない。日本サッカー協会は困惑を隠せない様子だったものの、ファンやメディアからは会場設定が悪いこととともに同協会の怠慢などが指摘されている。

一方、Jリーグでも人気の偏りが見られ、J1でホーム、アウェーともに平均観客動員数を上回っているクラブは、第15節を終了した時点で浦和とF東京のみ。これには協会やクラブだけでなく、サポーターも危機感を募らせているようだ。

こうした中、ある個人ブログの内容がネットで話題になっている。そのブログを記したのはF東京のサポーターで、忙しい合間を縫ってホーム、アウェー問わず毎週末観戦に出かけているのだとか。これまでの更新内容もクラブへの愛にあふれている。

話題になっているのは、7月11日の「女子の一見さんお断り??」と題したエントリー。ブログの筆者が数人で若い女性の余暇の過ごし方について語っていたところ、旅行は海外から国内へ、夜の遊び場は六本木から新橋へなど変化していることが話題となり、その中でスポーツに関して野球観戦が流行し、サッカー観戦が敬遠される傾向にあるという話が出たのだとか。

その理由は、初めて観戦したときの「疎外感」。サッカー観戦は内輪で盛り上がる場合が多く、初観戦に訪れた人が溶け込めずに気分が覚めてしまうという。また、野球は攻守交替の息抜きがあるが、サッカーは集中する時間が長いため疲れてしまうことも挙げられたようだ。

これについてブログの筆者は、驚きつつも「疎外感のことですが。けっこうそこが分かれ目なのかもしれません。『うわー、すごいなぁ、自分もこの雰囲気の中で一緒に応援できるようになるといいなぁ。』と思うか、『何これ?応援よくわからないし、あっちばかり盛り上がっちゃって・・・つまんなーい。』と思うか」とし、「つまり、疎外感がどーのこーのとか言わせる間を与えないくらい面白いサッカーを見せろ、ということなのでしょうか?」との見解を示している。また、集中する時間が野球より長いことについては、「45分間集中するのがダメな人にはサッカー観戦は無理だと思います。まぁ、ユルく観るっていうこともアリなんだけど」とした。

このエントリーのコメント欄には「野球は毎日マスコミがその動向を無用なまで詳細に垂れ流していることが大きい。関心が無くても自然に馴染まされてしまうから」や、「FC東京、好きになったもののサポーター(ゴール裏)が怖くてなかなか試合を見にいけない」「野球も女子一人で見に来る若い子がけっこういて、隣の席のおじさんとかが親切にいろいろおしえてくれたりして、楽しいですよ〜!」などの声が寄せられた。

また、このブログを紹介しているサッカー専門サイト「サポティスタ」では盛んに議論されており、「確かにJのサポは排他的な所があるよな」「ライト層を取り込もうとすればしたで怒り、取り込めなければ取り込めないで怒る」「読売中心だった野球から脱皮しつつありハンカチ王子、ダルビッシュ等若きスターの存在が大きいのでは?」といった意見のほか、野球は飲食しながらのんびりと観戦できることが理由として推測されている。

その一方で、「野球好きにしてみれば、オッサンがクダまいてるばかりで若いファンが増えないとか言って嘆いてるってオチじゃねーの?」との指摘も。実際、中央調査社が発表した今年の「人気スポーツ」調査によると、野球とサッカーは人気スポーツの1、2位だったもののともに減少傾向にあり、3年前と比べて野球が−4.9ポイント、サッカーが−1.8ポイントと特に野球人気の落ち込みが激しいことが示唆されている。

かつては野球もファン同士の衝突が絶えなかったが、今季のJリーグは例年以上に注目を浴びており、それゆえにサポーター同士のいさかいやクラブの対応の悪さなどが大きく報じられることもしばしば。こうした面も、若い女性に近寄り難い印象を与えているのではないだろうか。日本サッカー協会の新会長となる犬飼基昭氏はいきなり強権人事を発動し、元ラグビー日本代表監督の平尾誠二氏と女子テニスのクルム伊達公子選手を理事に招へいすることを発表したが、その「豪腕」による早期改革を期待したい。

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