カンヌ映画祭グランプリ作品に指名手配犯出演、囚人が発見し逮捕。

2008/07/09 23:57 Written by コジマ

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今年5月に開催された第61回カンヌ国際映画祭は、地元フランスの映画「クラス(英題)」(ローラン・カンテ監督)が最高賞のパルムドールを受賞して幕を閉じた。これに次ぐグランプリを受賞したのが、イタリア映画「ゴモラ(原題)」(マッテオ・ガローネ監督)。イタリア人作家ロベルト・サビアーノ氏のベストセラーノンフィクション「死都ゴモラ」をベースにしたもので、同氏はこの著書を発表したことにより殺害予告を受けている。

その映画「ゴモラ」に、指名手配中のマフィアが出演していることが発覚した。映画では「ジョバンノ・ベノーサ」とクレジットされているこのマフィア、もともと俳優を志望していたそうで、指名手配中にもかかわらず同作品のオーディションに応募し、2人を殺害する男性役を射止めたようだ。

オーディションに合格しただけでなく、出演作品がカンヌでグランプリに輝くという思いがけぬ栄誉を手にした「ベノーサ」だが、同作品をイタリア・ナポリの刑務所で上映会を行ったところ、映画を見た服役中の仲間が「ベノーサ」の姿を発見。警察はすぐさま居所を特定し、逮捕に至ったという。

「ゴモラ」は、イタリアの犯罪シンジケート「カモラ」の実態を暴いた作品。カモラが暗躍するナポリを、旧約聖書にある退廃都市ゴモラになぞらえて描いている。カモラは産業廃棄物の不法投棄を行っており、話題となったモッツァレラチーズ汚染にも深く関係しているという。

原作のヒットにより組織への本格的な捜査が始まったが、交通警察官がカモラの幹部だったことが発覚するなど、公権力との強いつながりが次々と明らかになっている。また、サッカーのACミラン前会長でもあるシルビオ・ベルルスコーニ首相も、マフィアとの関係が指摘されているようだ。

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