ドラマ「ロト6当てた男」原作は捏造? 「実話」の触れ込みは適当か。

2008/07/06 17:39 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


7月4日からテレビ朝日系での放送が始まったドラマ「ロト6で3億2千万円当てた男」。そのストレートで、そこはかとなくB級感の漂うタイトルには賛否両論あるものの、反町隆史がテレビ朝日系(制作は朝日放送)の連続ドラマに初主演するという話題性や、初回ゲストに「大物」伊東美咲が出演するなど、これまでのテレビ朝日のドラマとはいろいろな意味でひと味違うといった印象だ。

このドラマの原作はブログ本の「ロト6で3億2千万円当てた男の悲劇」。その元となっているブログ「ロト6成金のセレブな私生活」には、39歳独身(当時)、年収320万円のサラリーマン・久慈六郎氏が、ロト6で3億2千万円を当てたことで人生が一変、大金を手にしたことによる悲喜こもごも(?)と、その後の豪遊ぶりがつづられている。そんな「実話」のサクセスストーリーをベースにしたドラマ……というのが「ロト6で3億2千万円当てた男」の触れ込みなのだが、実は件のブログには当初から「捏造疑惑」が出ており、ドラマ化したこと自体「なんで?」と感じているネットユーザーは少なくない。

検証サイトのひとつ「セレブ君ことロト6成金@検証WIKI」の情報をもとに、いくつか「捏造」とされるポイントをまとめておこう。

・当選の証明として一番信憑性が高い当選券が一度もブログで公開されたことがない。
・当選した回(2005年1月13日抽選、第221回)の1等は3枚出ているが、1枚は福井県の売り場、残り2枚は兵庫県の売り場で出ているという。久慈六郎氏は愛知県在住で、購入時の様子を雑誌の取材などに「お昼のお弁当を買いにスーパーに行った時に、売り場があったので買った」と説明しており、愛知県内で購入していることがうかがえる。
・当選の証明として久慈六郎氏が提示した「通帳残高の写真」記載の金額と、その後しばらくブログでつづられた1等の当選金は「323,800,000円」となっていたが、実際の1等の金額は「320,380,000円」で、数字が異なる。
・写真週刊誌「FLASH」に掲載された通帳写真と、ブログの通帳写真の金額が異なる。

ほかにも細かい点で、ブログ内の画像と記述の整合性がなかったり、メディアでの受け答えの内容につじつまが合わないところが多く、極めて「怪しい」との指摘が相次いでいる。そのため、ブログのコメント欄は常に「炎上」状態だ。

また、久慈六郎氏の「豪遊」として、「タイのソープランドで4P」「高級置き屋の超美形ギャルを香港に連れ出し、超一流ホテルに宿泊」「キャバクラやフィリピンパブに通い詰め」「出会い喫茶やエロチャットを楽しむ」と下系の武勇伝をブログや雑誌の取材で明かしているほか、ブログではたびたび人を見下したような汚い言葉が使われているため、ドラマではそのあたりの描写は弱くなっているとはいえ、そもそも反町隆史が演じるような役なのかとの疑問の声も上がっている。

「ロト6が当たって人生が変わった」という題材は、ドラマの展開としては予想もしやすく、オリジナルの脚本(=フィクション)であれば特に問題になることはないだろう。ブログも完全なネタとしての存在なら、それはそれでアリなのかもしれない。ただ、真偽はともかく、「捏造」「怪しい」と何年も前から指摘されて炎上し続けているブログを、なぜテレビ朝日(ならびに朝日放送)がドラマ化に踏み切ったのか、そして「実話」という触れ込みは適当なのか、違和感を禁じ得ないところだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.