鄭潔の躍進で中国にテニスブーム到来? 米誌「卓球超える」と予想。

2008/07/03 23:13 Written by コジマ

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現在、熱戦が繰り広げられているウィンブルドン選手権だが、女子シングルスではアナ・イワノビッチ選手(セルビア)、マリア・シャラポワ選手(ロシア)、エレナ・ヤンコビッチ選手(セルビア)、スベトラーナ・クズネツォワ選手(ロシア)と、世界ランキング上位4選手が相次いで格下に敗れるという波乱の展開となっている。

こうした中で、第5シードのエレーナ・デメンティエワ選手(ロシア)、第6シードのセリーナ・ウィリアムズ選手(米国)、第7シードのビーナス・ウィリアムズ選手(同)とともに準決勝へ進出したのが、中国の鄭潔選手だ。主催者推薦枠のワイルドカードで出場した鄭選手は、世界ランキング133位ながら3回戦で第1シードのイワノビッチ選手を粉砕。アジア勢のウィンブルドン4強入りは、1996年の伊達公子選手以来で中国女子では史上初の快挙だ。

そんな鄭選手の大躍進を受け、中国で卓球を超えるほどのテニスブームが到来すると米誌スポーツ・イラストレーテッドが予想している。同誌は中国で最も盛んなスポーツとして卓球と飛び込みであること述べたうえで、鄭選手の「残念ながら、テニスは中国のメジャースポーツではない」という声を紹介。しかし、同選手が「多くの中国人がこの試合(準決勝)を見ると思う」としていることから、「少なくともここ数日は、芝の上でのテニスがテーブルの上でのテニス(卓球)の人気を上回る」とした。

鄭選手は、今年5月に大地震があった四川省成都出身の24歳。シングルスではこれまで女子テニス協会(WTA)ツアーで3勝を挙げており(自己最高ランキングは27位)、ダブルスでは同じ中国出身の晏紫選手とのペアで06年の全豪オープンとウィンブルドン選手権を制している。この全豪制覇は中国人として4大大会初優勝の快挙だったが、同年はサッカーのワールドカップ(W杯)が開催された年。そのため「中国では注目を浴びることができなかった」(鄭選手)という。

今大会での鄭選手の健闘に多くの選手や関係者が称賛しており、準々決勝で敗れたチェコのニコレ・バイディソバ選手(世界ランキング22位)は「彼女は素晴らしいプレーをした」とコメントし、準決勝で対戦するS・ウィリアムズ選手も「彼女のプレーを見ていたが、本当に素晴らしい。今回の躍進が運だとは思わない」と語っている。

そのS・ウィリアムズ選手と鄭選手は04年のウィンブルドン選手権で対戦しており、そのときはS・ウィリアムズ選手がストレートで勝利をおさめている。S・ウィリアムズ選手について「これまで彼女の弱点を1つも見出せなかった」と語る鄭選手、かなりの強敵だが、もし優勝すれば01年のゴラン・イワニセビッチ選手(クロアチア)以来となるワイルドカードでのウィンブルドン制覇だ。ちなみに鄭選手は、賞金を四川大地震の被災者に寄付するだけでなく、大会終了後には四川省でボランティア活動に参加するとしている。

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