「国民の幸福度」世界一はデンマーク、日本は97カ国中43位。

2008/07/02 22:55 Written by コジマ

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2006年に英レスター大のエードリアン・ホワイト氏(社会心理学)らが実施した研究で、日本の「国民の幸福度」が178カ国中90位という衝撃の結果が出た。これは中国(82位)よりも低い数字であり、全体で見ると半分以下。また米国、ドイツ、英国、フランスなどもトップ20入りできなかった。この中で1位になったのは北欧のデンマークで、このほかスイス、オーストリア、アイスランド、バハマがトップ5となっていたのだ。

こうした中で、米ミシガン大のロナルド・イングルハート氏(政治学)らが実施した最新の国民の幸福度調査でも、デンマークが「世界一幸せな国」であることが明らかになった。「World Values Survey」と称したこの調査は、世界52カ国の35万人を対象に「いま自分が幸せか」「自分の最近の生活にどの程度満足しているか」という2つの質問を行ったもの。このほか、さまざまな要因から「幸福度」を判定している。

06年の調査に続いて「世界一」となったデンマークのほか、プエルトリコ、コロンビアと中南米の国が2、3位となり、アイスランド、北アイルランド、アイルランド、スイス、オランダ、カナダ、オーストリアがトップ10入りした。日本は97カ国・地域中43位と半分を上回ったものの、依然として低い位置だ。米国は16位だった。

一方、ワースト10はジンバブエ、アルメニア、モルドバ、ベラルーシ、ウクライナ、アルバニア、イラク、ブルガリア、グルジア、ロシア。ジンバブエは、かつて同地を支配していた白人の農場を強制収用したことにより、経済システムが崩壊。35万5000%というハイパーインフレーションが発生している。また、一党長期政権のため報道規制や言論弾圧が激しく、女性差別も問題となっているようだ。こうした結果を受け、イングルハート氏は「幸福の度合いと民主主義には強い相関関係がある」と述べた。

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が今年5月に発表した「国際競争力ランキング」を見てみると、ウクライナが55カ国・地域中54位、ロシアが47位、ブルガリアが39位と、幸福度でワースト10に入った国は国際競争力でも低いことが示されている(ジンバブエ、アルメニア、モルドバ、ベラルーシ、アルバニア、イラクは対象外)。またスイスが4位、デンマークが6位、カナダが8位、オランダが10位、アイルランドが12位と、幸福度上位の国は経済力も高いことが示されている。

そのため、米ニュースサイト「mlive.com」は「幸せはお金で買えないといわれることに反して、豊かな国の人々は貧困国より幸せに感じている傾向にある」としているが、国際競争力で41位だったコロンビアが幸福度で3位となっていることから、必ずしも経済的に裕福な国の人々が幸せと感じているわけではなさそうだ。


☆国民の幸福度ランキング
1位 デンマーク
2位 プエルトリコ
3位 コロンビア
4位 アイスランド
5位 北アイルランド
6位 アイルランド
7位 スイス
8位 オランダ
9位 カナダ
10位 オーストリア

16位 米国
43位 日本

88位 ロシア
89位 グルジア
90位 ブルガリア
91位 イラク
92位 アルバニア
93位 ウクライナ
94位 ベラルーシ
95位 モルドバ
96位 アルメニア
97位 ジンバブエ

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