ビル・ゲイツ会長がマイクロソフトに苦情「Windows使いにくい」。

2008/06/27 23:22 Written by コジマ

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今年3月に発表された米経済誌フォーブスの「世界長者番付(The World's Billionaires)」で、13年間守り通してきた1位の座を「投資の神様」の異名を持つ米投資会社バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットCEOに明け渡した米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長。今回の番付は同社が米ヤフーの買収提案後である今年2月11日の株価をもとに算出しており、同誌は「買収を提案していなければゲイツ氏は今年もトップだったはず」としていた。それでも資産額は前年を上回る580億ドル(約6兆3700億円)を記録している。

そんなゲイツ会長がマイクロソフトに苦情の電子メールを送っていたことが、米紙シアトルポストインテリジェンサーによって明らかになった。この電子メールは2003年1月15日、当時Windows開発の最高責任者だったジム・オールチン氏らに宛てて送ったもので、同社の映像編集ソフト「Windowsムービーメーカー」を使おうと試みたところ、1時間を費やしてもダウンロードできなかったことへの不満をつづっている。

電子メールよると、ゲイツ会長は「Windowsムービーメーカー」を自力でダウンロードしようとしたが、自社サイトのどこを探してもダウンロードページが見つからず仕舞い。イライラしながら社員に問い合わせると、メイン画面から検索すれば見つかるとの指南を受けた。社員は「ダウンロードページから何かをダウンロードするなんて予想もしなかった」と述べたという。

指示通りに検索したところ「6秒も待たされた」後でお目当てのファイルを探し当てたものの、今度は「Windowsムービーメーカーをダウンロードするには『Windows Update』を利用してください」と表示された。

仕方なくWindows Updateを使ってダウンロードに挑戦したが、1つのファイルをダウンロードするだけなのにいくつものダイアログボックスが表示されて選択させられただけでなく、容量が合計17メガバイトにも及ぶためダウンロードするのに6分間もかかる始末。さらに、再起動をさせられて「Outlook」のデータが全部飛んでしまったとのこと。

こうした苦労を重ねたにもかかわらず、再起動後にWindowsムービーメーカーを立ち上げたところ、「Windows Media Series 9」をダウンロードしろとのメッセージが表示された。このプログラムのインストールに7分を費やしたが、確認してみると関係ないファイルばかりが表示されていたという。

その後もゲイツ会長の苦闘は続いたが、1時間が経過しても何も進展せず、仕事もできない状態だったことから、オールチン氏らに苦情の電子メールを送ったようだ。

シアトルポストインテリジェンサー紙がこの電子メールの真偽についてゲイツ会長に尋ねたところ、同会長は微笑みながら「こうした電子メールを送らない日はなかった。これが私の仕事だからね」と回答したという。

マイクロソフト創業から33年を経た今年、6月30日をもって常任職を退き非常勤会長になることを発表したゲイツ会長だが、マイクロソフトへの愛情が薄れることはないようだ。

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