米ESPNが日本人メジャー監督誕生の可能性を検証、イチローも候補に。

2008/06/24 22:07 Written by コジマ

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交流戦真っ只中の米大リーグで、6月17〜20日にニューヨーク・メッツのウィリー・ランドルフ監督、シアトル・マリナーズのジョン・マクラーレン監督、トロント・ブルージェイズのジョン・ギボンズ監督の3人が解任された。シーズン中の4日間で3監督が解任されるのは1991年5月以来の珍事だという。

メッツは後任にジェリー・マニエル・コーチを据えたが、米スポーツ専門誌スポーツ・イラストレーテッドがボビー・バレンタイン・ロッテ監督を候補に挙げたことで日本でも話題になり、地元紙スタンフォード・アドボケイトはバレンタイン監督に「オファーがあったら引き受けるか」と電子メールで質問した。しかし、同監督の回答は「今、監督の職に就いているし、楽しんでやっている。チームも好調だし、私も元気だ」(日刊スポーツより)。見事にかわされたようだ。

今回に限らず、バレンタイン監督はたびたびメジャー復帰が噂されているが、今季からトレイ・ヒルマン監督が指揮を執っているカンザスシティ・ロイヤルズが開幕直後に快進撃をみせた(現在は失速してア・リーグ中地区最下位)ことで、日本の監督が米球界から熱い視線を浴び始めている。そんな中、米スポーツ専門局ESPNが日本人メジャー監督誕生の可能性について長文で検討した。

ESPNは記事のトップに日本ハムの吉井理人コーチや長谷川氏のほか、イチロー選手やチームメイトの城島健司捕手、ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手といった現役メジャー選手、さらに巨人の原辰徳監督や中日の落合博満監督の写真を掲載し、ドジャースのネッド・コレッティGMの「(日本人メジャー監督誕生は)不可避だろう。時間の問題だ」というコメントを紹介。近い将来、日本人監督が誕生することは間違いないと結論している。ただ、記事の中では原監督や落合監督のメジャー行きついて言及していない。

また現役選手や監督の見解も紹介しており、ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手は「日本のコーチがクリアしなければならないハードルは多いが、すぐに実現すると思う」と述べ、オークランド・アスレチックスのヒューストン・ストリート投手は「メジャー経験のない日本人が監督に就任するなら、多くの米国人監督候補が動揺するんじゃないかな。でも、こっちでプレーや指導した経験を持つ人ならば、十分可能性があると思うよ」、セントルイス・カージナルスのトニー・ラルーサ監督は「100%あり得る。日本の選手はメジャーで十分通用しているのに、監督が通用しないことなんてあるかい?」と語った。マリナーズのジャロッド・ ウォッシュバーン投手も肯定的だが、高い英語力が必要になるとしている。

では、日本人初のメジャー監督は誰がなるのか。記事はイチロー選手や吉井コーチ、長谷川氏のほか、ヒルマン監督に招へいされてロイヤルズの特別コーチ兼スカウトアドバイザーに就任した白井一幸氏、NHKでメジャー解説を担当している与田剛氏を候補に挙げ、特に与田氏については、近いうちにメジャー球団と何らかの契約を結ぶ可能性を指摘している。また球団では、任天堂がオーナーのマリナーズやヤンキース、レッドソックスを挙げた。

現在、大リーグでは半数の球団で捕手出身の監督が指揮を執っていることから、日本人初のメジャー捕手である城島選手が注目されるが、記事では同選手の「ぼくが捕手じゃなかったら、たぶん漁師だっただろう」という発言から候補に入れなかった模様。

この記事を執筆したESPN記者のエリック・ニール氏は「大リーグのスカウトたちは日本の選手にメジャーで生き残るための強さやスタミナが不足しているとしていたが、イチローがその理論を破壊した」「イチローの打撃は日本の野球スタイルを表している。ただ、それは一端だけで、日本の選手が米国の野球ファンをとりこにしているものの、文化を変えるまでには至っていない」とし、「日本の野球理論を大リーグに提供する監督が誕生したとき、本当の革命が始まる」と結論づけている。

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