フランス代表が弱音? 欧州選手権敗退危機の原因は「ジダン不在」。

2008/06/16 21:35 Written by コジマ

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熱戦が続く欧州選手権(ユーロ2008)、6月15日にはA組の最終2試合が行われ、終盤2分間でまさかの2失点を喫したチェコがトルコに敗れグループリーグ敗退が決定したほか、スイスがすでにベスト8進出を決めているポルトガルに2-0で勝利し、開催国の意地をみせた。現在、決勝トーナメントへの進出が確定しているのは、A組のポルトガルとトルコ、B組のクロアチア、C組のオランダ、D組のスペインの5チーム。B〜D組は残り1枠をかけて争う。

もともと予想が難しいといわれている欧州選手権だが、チェコのグループリーグ敗退をはじめ今大会も番狂わせの連続。その中でも特に「死のグループ」と呼ばれるC組は波乱に満ちており、オランダの快進撃もさることながら、優勝候補2チームに引き分けたルーマニアの活躍が光っている。

ルーマニアの奮闘はイビチャ・オシム前日本代表監督が“予言”したことも話題になっているが、6月17日の試合でオランダに敗れたとしても3点以上取られなければ、フランスとイタリアが引き分けた場合、決勝トーナメントに進出可能だ。逆に、フランスとイタリアは直接対決でいずれも勝つしかなく、2006年ワールドカップ(W杯)で決勝を戦った2チームがともにグループリーグ敗退の危機を迎えている。

こうした中で、フランス代表の主力2選手が、欧州選手権苦戦の原因として元代表でW杯決勝を最後に引退したジネディーヌ・ジダン氏の不在を挙げた。この“弱音”をこぼしているのは、正GKグレゴリー・クペ選手(リヨン)と、代表の攻撃的MFとしてジダン氏の後継者と期待されるフランク・リベリー選手(バイエルン)。いずれも代表の中核を担う選手だ。

ジダン氏について、クペ選手は「我々は偉大なキャプテンを失ったんだ。世界一の選手の代わりなんて、そう簡単にはいかないよ」「彼抜きでグループを再構築しようとしている。それも我々の問題だ」(ISMより)とし、リベリー選手も「彼の存在は、みんなにたくさんのよい影響をもたらしていた」「今僕たちが直面しているような困難な状況に立たされたら、誰だって彼のような選手がいてくれたらと考えてしまうだろ」(同)といずれも弱気な発言。ただ、リベリー選手は「僕たちは恐れちゃいけない。まだ終わってないんだから」(同)と、イタリア戦に向けて自らを奮起させている模様。

ジダン氏の不在は大きいのはもちろんだが、エースのFWティエリ・アンリ選手がケガから復帰したばかりで、現チームの要である主将パトリック・ビエラ選手(インテル)が負傷欠場していることも影響しているのではないだろうか。イタリア戦ではビエラ選手の出場、活躍に期待したい。

ちなみに、プレー以外の形で現在もサッカーに参加しているジダン氏だが、サッカー専門誌「ワールドサッカーダイジェスト」のインタビューで、引退後に世界各国からオファーがあり、日本でも「東京と大阪のチーム、それから他にも2チーム」から誘いがあったことを明かしたうえで、あらためて現役復帰する意思がないことを明言している。

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