ギャング少年の頭部に残された「証拠」、摘出拒否で裁判へ。

2008/06/16 15:04 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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証拠は少年の頭の中に。

といっても、彼の記憶のことをいっているのではなくて、実際に物理的な「あるモノ」が、彼の前頭側の皮下部分に、彼の犯したかもしれない「犯罪の証拠」が埋め込まれているのです。

テキサス州のビューモントに住むこの少年、アダム・ブッシュ容疑者は、2006年の7月に数人のギャング仲間と中古車ディーラーから車を盗み出そうとしました。そしてディーラーの社員に銃を向け、脅そうとしたらしいのですが、さすが銃社会の米国、社員だって万が一のために護身用の銃を備えていたのです。

社員の反撃を受け、頭部に弾丸を食らったブッシュ容疑者。幸い、頭蓋骨を貫通することがなかったため、命に別状はなかったのですが、その場を逃げ去った彼はそのまま頭に弾丸を残したまま、警察に逮捕されてしまいます。

御用となったブッシュ容疑者は、直後には観念して犯罪を自白したのですが、その後弁護士の入れ知恵で警察の捜査手違いを発見。米国の司法では警察の捜査手順の悪さ次第で、真の犯人が無罪になることも十分に有り得ます。今回も、どこがどういう風に変わるのか判らないのですが、法的にブッシュ容疑者の告白は無効になってしまうとのこと。結果として、もう一度「無罪」を求めて裁判になるんだとか……。

さて、こうなると警察としては、ブッシュ容疑者の頭部に残された弾丸を摘出し、検証する必要が出てきました。弾丸に残った傷を調べれば、これが襲われたディーラーの所有していた銃から放たれたモノかどうか、判明しますもんね。

しかしブッシュ容疑者は、この弾丸は友人から「間違い」で撃たれた残ってしまったものだと主張。さらに警察がこの弾丸を勝手に摘出することは、彼の「人権侵害」になるとして、こちらも法廷で争っていくつもりなんだそうです。

しっかし、鉄の塊を体内に入れておいたままにしてたら、体に悪いんじゃないかと思うんですが……? 有罪判決を受けるよりはマシということなのでしょうか?

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