元ポーランド代表自殺とドイツ代表糾弾、白熱の欧州選手権に衝撃。

2008/06/13 21:29 Written by コジマ

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連日、激戦が繰り広げられている欧州選手権(ユーロ2008)。6月12日にはB組の第2戦が行われたが、優秀候補の一角であるドイツがクロアチアに1-2で敗れたほか、そのドイツに第1戦で敗れたポーランドが、開催国の1つであるオーストリアに引き分けた。ポーランドは後半のロスタイムにPKで追いつかれるという、悲劇的なドローだったのだ。

こうした中で、そのB組に関する2つの「事件」が試合前に起こっていた。1つは、ポーランド前代表MFでオーストリア1部リーグのケルンテンに所属するアダム・レドウォン選手が、オーストリア南部クラーゲンフルト市内にある自宅で自殺したこと。6月11日午後のクラブ親善試合を無断欠席したため不審に思ったチームメイトのパトリック・ウルフ選手が自宅を訪れたところ、レドウォン選手が死んでいるのを発見したのだとか。

レドウォン選手は、ドイツ1部のレバークーゼンなどでもプレーし、ポーランド代表として通算18試合に出場。ケルンテンに所属する現在はオーストリアに在住していることから、同国のテレビ局が行っている今大会の中継に解説者として出演していた。C組第1戦のドイツ−ポーランド戦も観戦していたようだが、6月10日のインタビューでグループリーグ第2戦について「ポーランドは勝つさ。何せこのマッチは生死をかけた戦いだからね。もし負けるようなことがあったら、ボクはクラーゲンフルトの街頭で首をつって死ぬよ」(東京スポーツより)と語っていたという。

自殺の理由は不明だが、楽しみにしていたオーストリア戦を見ることなく自らの命を絶ってしまったレドウィン選手。突然の訃報が試合前のポーランド代表に与えた影響は、大きかったようだ。

もう1つの「事件」は、ポーランド戦でゴールを決めたドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ選手(バイエルン)に対し、ポーランドの保守系政党「ポーランド家族同盟」が国籍剥奪を要求したこと。ポーランド系ドイツ人であるポドルスキ選手の二重国籍を糾弾したようだが、本人によると生まれたときからポーランド国籍を持っていないのだとか。

ただ、ポーランド系であることを誇りに思っているというポドルスキ選手や、同じくポーランド系であるドイツ代表FWミロスラフ・クローゼ選手(バイエルン)らにとって、悲しく残念な糾弾ではないだろうか。ちなみにポーランドは、必要条件である5年間の居住に満たないブラジル出身のFWロジェール・ゲレイロ選手(レギア・ワルシャワ)の国籍取得を認め、代表入りさせている。

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