「ROCK IN JAPAN」主催者、公式サイトで「RISING SUN」を批判。

2008/06/01 22:57 Written by コジマ

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7月25〜27日に新潟・苗場スキー場で開催する「FUJI ROCK FESTIVAL '08」を皮切りに、今年もロックフェスティバルの季節がやってくる。その中でも「ROCK IN JAPAN FESTIVAL(RIJ)」(8月1〜3日、茨城・国営ひたち海浜公園)と「RISING SUN ROCK FESTIVAL(RSR)」(8月15〜16日、北海道・石狩湾新港樽川埠頭野外特設ステージ)は、国内最大級の邦楽主体フェスとして今年も邦楽ファンの熱い視線を浴びている。

RSRは6月1日現在で第5弾まで出演者発表を行っており、2日間で82組の出演が決定。対するRIJは同日に第2弾出演者発表で27組を追加し、3日間の出演者全90組を発表を行ったが、この発表とともにRIJの総合プロデューサーである渋谷陽一氏(ロッキング・オン社長)が公式サイトで「日本のフェスのこれからを考えるために」という文を掲載し、RSRの方針を批判した。

それによると、RSRの出演者がRIJへ1組も出演しないことについて参加者から疑問が寄せられており、それに回答する形で今回の文章を掲載したという。渋谷氏は「今年、ライジングサン・ロックフェスティバルはロック・イン・ジャパンとのアーティストの重複は完全に避けるという方針を出されたようです。たくさんのアーティストの方から、ライジングサン・ロックフェスティバルから、そうしたブッキングの意向を伝えられたという旨を言われました」と説明。「多くのアーティストの方が両方のフェスへの参加を希望していました。ロック・イン・ジャパン参加のアーティストにもライジングサン・ロックフェスティバルに参加したい方々はたくさん居ます。逆もそうだと思います」とし、RSRの方針に対して「とても残念な事」「アーティストの参加したい想い、参加者の観たいという想いを犠牲にしてまで得られる何かがあるとは僕には思えません」と批判した。

さらに渋谷氏は「僕達はロック・イン・ジャパン出演のアーティストに他フェスへの出演を避けるようにお願いした事はありません。今年も一切していませんし、これからもするつもりはありません」と述べ、今後日本のフェスがもっと盛り上がっていくためにも「来年からは、こうした形でのブッキングがなくなり、もっと自由にアーティストがフェスに出演できるようになればと思い書かせていただきました」と結んでいる。

RSRとRIJの確執は、実は根深い。RSRは、以前から地元北海道でロックイベントを行っていたコンサート企画・運営会社のウエスに、フジロックでフェスの可能性を見出したロッキング・オンが話を持ちかけて1999年に初開催した。当初は1日だけの開催だったが、ロッキング・オンの邦楽専門誌「ROCKIN'ON JAPAN」でも大々的に取り上げたこともあって大成功を収めたのだ。

ところが翌年、ロッキング・オンは独自フェスのRISを立ち上げ、「ROCKIN'ON JAPAN」でもこちらを重点的に特集。自然とRSRの扱いは小さくなった。そのためRSRの観客数は激減して以降の開催も危ぶまれるようになったが、着実にファンを増やしていき、開催地の不利を吹き飛ばしてRIJにも負けないフェスへと成長している。今回のRSRが打ち出したという方針は、RIJに対するこれまでの仕打ちをお返しする形とも言えるのではないだろうか。

渋谷氏の表明について、ネットでは「RSRは傲慢だな。ファンのことを無視している」と同調する声もあるが、上記の経緯を知るファンからは「ライジングサンを運営してるやつらからしたら面白くないわな」「ライジングサン踏み台にしといてこれか ほんと腐ってるな」「また渋谷か…」などの批判的な意見が多数を占めているようだ。

とはいえ、洋楽主体の「FUJI ROCK FESTIVAL」と「SUMMER SONIC」も同じ状態であることから、出演者を囲い込んで観客を確保するのは仕方のないことという指摘もある。来年以降どのように変化するのかは興味深いが、いずれにせよファン側に立った改善が行われることを期待したい。ちなみに、曽我部恵一は両方へ出演が決定している。

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