「問題発言」のS・ストーン、中国人に謝罪も「受け入れない」9割。

2008/05/29 21:37 Written by コジマ

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国際映画祭が開かれていたフランス・カンヌで、四川大地震について「チベット問題の報いではないか」などと述べた米女優のシャロン・ストーン。チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と親交があり、震災によってチベット問題が埋没することを懸念しての発言だったようだ。

これに対して中国は猛反発し、上海の書店チェーンが関連商品の販売を中止したほか、出演を予定していた米中合作映画「人魚帝国」の降板が決定、ネットではイメージキャラクターを務めているクリスチャン・ディオールの不買運動が呼びかけられるなど、活動への影響はすぐに出始めていた。

こうした事態を重く見たシャロン・ストーン側は、クリスチャン・ディオールを通じて「インタビューでの私の間違った発言が中国の人々を傷つけたことをとても悲しく思い、申し訳ないことをしたという気持ちを抱いています。私は過去20年間、国際的な慈善組織の活動に積極的に参加し、中国の人々を助けたいと思ってきました。昨年、私は中国に行き、人々の知恵と友好の気持ち、情熱に深く感動しました。ここで申し上げたいのは、私が今回の自然災害で不幸にも被害に遭った人々に心からの哀悼と同情の気持ちを持っているということです。私の間違った発言が中国の人々を悲しませ、怒らせたことに対して、深く謝罪します」(中国情報局より)との謝罪文を発表。今後、被災者の支援活動へ全力で取り組むことも表明している。

この謝罪文は中国の有力紙やテレビなどが報じたため中国人が広く知ることになったのだが、メディアは同時に冷ややかな現地の反応も伝えている。ネットでも「謝罪は受け入れない」「謝って済めば警察は要らない」との声が多数見られ、新聞社がウェブ上で実施したアンケートでは、回答者1万1788人のうち91%が謝罪を「受け入れない。冷酷な発言で傷ついた」としており、「現時点では態度を決めかねている。今後の行動を見て判断したい」と「誤りを正したので受け入れたい」との回答はそれぞれ5.6%、3.3%にとどまったという。

今年3月にはアイスランドの歌姫ビョークが、上海公演で独立を題材とした楽曲「ディクレア・インディペンデンス」を上演した際に「チベット! チベット!」と叫ぶ一幕があった。公演後は中国のネット上に怒りの声があふれ、中国政府は法的措置を取ると発表している。ビョークの発言や行動には非人道的なものが含まれていないにもかかわらず、大きな騒動に発展した。

今回のシャロン・ストーンの発言には中国以外からも非難の声が上がっており、謝罪だけで中国人の感情が収まらないのはやむを得ないことかもしれない。ちなみに、ビョークは上海公演の行動について「私は政治家ではなくミュージシャン。それゆえ、私の使命は人類のあらゆる感情を表現しようと努めることだと思っている。独立するよう促すのは、その1つにすぎない」とのコメントを発表し、謝罪は行っていない。

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