四球数リーグワーストの松坂大輔投手に新ニックネーム「Dice-BB」。

2008/05/07 21:51 Written by コジマ

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5月6日のデトロイト・タイガース戦で勝利し、インフルエンザによる登板回避を挟んで開幕5連勝と絶好調の米大リーグ、ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手。勝利数、防御率(2.43)ともにリーグ4位につけおり、チーム内ではエースのジョシュ・ベケット投手をしのぐトップの成績。メジャー2年目で「世界一」球団のエース格へと成長している。

6日のタイガース戦では、昨季ア・リーグ首位打者のマグリオ・オルドネス外野手や3割30本をマークしたミゲル・カブレラ内野手らを擁し、現在チーム本塁打数リーグ2位タイの強力打線を、2安打に抑える活躍だったものの、話題となったのが5回で8四球を与えてしまったこと。レッドソックスでこの数の四球を出しながら勝利投手となったのは、「オイル・カン」の愛称で親しまれたデニス・レイ・ボイド投手(91年引退)が記録した1985年以来というから、いかに珍しいかが分かるのだ。また、同球団の投手が6四球以上を記録したのは、06年8月のベケット投手(9四球)以来なのだとか。

これにより、松坂投手の今季通算与四球数はリーグワースト1位の27となってしまった。それに対して松坂投手の愛称「Dice-K」の由来である三振(K)はすっかり影を潜め、6日も自己最少タイの1奪三振。今季通算33奪三振はリーグ9位で、調子の上がらないベケット投手(34奪三振)を下回っている。こうしたことから、この試合のニュースを報じた米スポーツ専門局ESPNに、「K」を与四球の意味である「BB」に変えた「Dice-BB」という不名誉な新ニックネームをつけられてしまったのだ。

ESPNが名付けた新しい愛称は一気に広まり、米国のブログでは至るところに「Dice-BB」の文字が躍っている。その1つである「Paulie’s Platform」では、「Dice-K or Dice-BB??」と題した記事で「5回で打者8人を歩かせた昨夜のパフォーマンスは、松坂の経歴で最も不名誉なことだったかもしれない」とし、「第2先発投手を名乗るなら、少なくとも6回(現実的には7回)を投げ抜かなければならない」と批判している。その批判は年俸に見合っていないことにも及んでいる。

一方、「Over the Monster」というレッドソックス・ファンのブログでは、「Walks. Walks. Walks. Walks. Walks.」と題したエントリーで「Dice-BBにとってこの試合のストライクゾーンはタイトだった」と、球審の判定に疑問を呈した。また、このブログのコメント欄には「8四球は信じられないが、2安打1失点に抑えたのも事実。安打されないのが良い投手だ」という感想が寄せられている。

先日、米スポーツ専門サイト「MVN」のコラムで、与四球の多さから「まだエースとは呼べない」と指摘された松坂投手。この時も擁護する声はあったものの、勝利率や防御率よりもWHIP(投球回当たりの与四球・被安打数合計)やK/BB(奪三振/与四球)などを重視する米国のメディアやファンからは、制球難を克服しない限り大黒柱とは認めてもらえないようだ。

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