F1スーパーアグリのドライバーが怒り爆発「全員だまってろ!」。

2008/04/30 23:02 Written by コジマ

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今季も熱い戦いが続いているF1。4月27日に決勝が行われた第4戦スペイングランプリ(GP)では、ヘイッキ・コバライネン選手(マクラーレン)が大クラッシュし、なかなか救出されず緊張が走る一幕もあった。担架で運ばれるコバライネン選手が親指を立てて無事をアピールしたことに、ほっと胸をなでおろした人も多かったのではないだろうか。

このほかもクラッシュが相次ぎ計9台がリタイアする状況で、ジェンソン・バトン選手(ホンダ)が6位、中嶋一貴選手(ウィリアムズ)が7位、ヤルノ・トゥルーリ選手(トヨタ)が8位と、日本のチームや選手が入賞を果たした。その一方でスーパーアグリの佐藤琢磨選手は、完走13台中最下位と不本意な結果に終わっている。平均速度も同13台中最も遅く、ガソリンを多く積んだ影響もあるものの、マシンの状況が改善されていないことがうかがえるのだ。

こうした中で、佐藤選手のチームメイトであるアンソニー・デビッドソン選手が、一向に状況が良くならないマシンやそれを揶揄するライバルたちに不満を爆発させている。

財政難や協定などから高性能のマシンを投入できないスーパーアグリは、今季も周回遅れになることが頻発している。他チームのドライバーからはコースの邪魔者扱いされており、デビッド・クルサード選手(レッドブル)は「のろまなアグリたち」と批判しているのだとか。

これに対し、デビッドソン選手は「クルマの揺れがひどくて、自分の周りで何が起こっているのか辛うじてわかる状態の中で、コースアウトしないように集中してクルマを走らせているんだ。そんなときに自分を追い抜こうとしている人間の事なんかに注意は払えないよ」(TopNewsより)とドライビングに手を焼いていることを吐露したうえで、揶揄するライバルたちに向けて「あいつら全員だまってろ」(同)と語気荒く反論した。

デビッドソン選手は続けて「そんなことを言う奴とは喜んでクルマを交換してやるよ。絶対苦戦するだろうし、クラッシュする奴もいるかもね」(同)とも語っているが、これらの発言は裏返せば自身の駆るマシンに対する不満の表れでもある。実際に今季の車両を「失敗車」とし、「チームは僕がこんなことをいっているのを喜ばないだろうな」(同)とバツが悪そうに述べているのだ。

スーパーアグリは発足当初から深刻な財政難が続いており、昨季は初の大型スポンサーとなる予定だった中国の石油貿易会社から、一度もスポンサー料が支払われないという散々な目に遭っている。今季はドイツの自動車会社ベイグル・グループからの資金供給がうわさされたものの、同社はこの報道を一蹴。スペインGPはホンダから約3億円の融資を受けて参戦したが、ホンダは今後スーパーアグリに特別な援助をするつもりはないと明かしており、次戦のトルコGPへの出場はまだ確定していない。こうした状況でドライバーに不満が募るのは、仕方のないことなのかもしれない。

しかし佐藤選手は、スペインGPを振り返って「レースの途中では中位グループまでポジションを上げ、一時は9位を走行しましたが、これは最高の気分でした。今週末は難しい状況のなか、スタッフは最高の働きをしてくれました。彼らや、僕たちをサポートしてくれるすべての人たちにとっても本当に嬉しいレースでしたし、この流れを今後につなげていけることを強く期待しています」(チームプレスリリースより)など、不満を表面に出さないコメントをしている。

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