パンダの「リンリン」死去、上野動物園からパンダの姿なくなる。

2008/04/30 11:50 Written by Narinari.com編集部

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日本の田中角栄首相と中国の周恩来首相によって調印された「日中国交正常化」を記念して、中国政府から日本政府にジャイアントパンダ2頭が贈られたのは1972年のことだった。「カンカン」と「ランラン」と名付けられた2頭は東京の上野動物園で飼育され、初めて日本にやってきた愛くるしいパンダの姿に列島は大騒ぎ。空前のパンダブームを巻き起こすきっかけとなったのは、当時を生きていない世代でもニュース映像などで目にしたことはあるだろう。

それから30年以上が経過した今、上野動物園で飼育されているパンダは「リンリン」ただ一頭。「カンカン」と「ランラン」から「リンリン」まで、幾度となくパンダの繁殖に向けた取り組みが行われてきたが、頭数を増やすには至らず。「リンリン」もメキシコのチャプルテペック動物園に3度出向き、また、チャプルテペック動物園から「シュアンシュアン」が来日し、2年間に渡って繁殖が試みられていたが、残念ながら2世には結びつけることはできなかった。

今年「リンリン」は22歳となり、人間で言えば70歳近い高齢に。最近は食欲が落ち、動きも鈍くなるなど体調が思わしくなく、29日からは園内での展示を中止、療養に入ったのだが、残念ながら30日午前2時に息を引き取った。これで36年ぶりに上野動物園からパンダが姿を消しただけでなく、国内唯一の「パンダ所有権」が消滅(※)。いろいろな意味で、「リンリン」の死は衝撃が大きい。(※ほかの動物園で飼育されている8頭のパンダはいずれも中国からのレンタル。中国以外の国が所有権を有しているパンダは、「リンリン」含め世界に3頭しかいない)

なお、5月7日の福田康夫首相と胡錦濤主席の首脳会談では、パンダのレンタルが議題に上がる予定で、日中の友好関係強化のために中国側が2頭を貸し出すと見られている。ちなみに、パンダのレンタルは中国政府に年間1億円程度のレンタル料を支払うほか、子を授かったとしても所有権は中国に渡さなければならない。

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