たけしが聖火ランナー欽ちゃんを痛烈批判、ネットでは賛否両論。

2008/04/28 23:27 Written by コジマ

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3000人体制の厳重警備の中で、6人の逮捕者を出した長野での聖火リレー。各国のメディアはおおむね「抗議と小競り合いがあったものの、深刻な混乱に至ることなく終了した」と報じていたが、警察がチベット支援者と中国支援者を平等に扱わなかったことなどが伝えられており、リレー開始前から大声を張り上げる中国支援者が各地点を占拠していたこともあって、国内の反中感情はいっそう高まってしまった。一方、中国でも政府の歯止めが利かなくなった民族主義が激化し、中国人留学生が負傷したことから、ネットでは「中国人の最大の敵は日本人だ」「打倒、日本軍国主義。小日本を滅ぼせ」(夕刊フジより)といった反日感情が支配しているという。

こうして長野でも決して平和的には終わらなかった聖火リレー、このムードを和ませてくれたのが、走者として参加していた萩本欽一だった。会見では、トーチの重みについて「気持ちのいい重みであればよかったけど、ちょっと違う重みが乗っかっちゃった。沿道のいろんな旗の重みがね…」(スポーツニッポンより)と語り、「長野のおばちゃんや子供とハイタッチするために来たのに」(同)と悔しさをにじませていた欽ちゃんは、その後にユニホーム姿のままコースへ出て、道行く人と念願のハイタッチを交わしたのだ。

市民たちからはエールが飛ぶなど歓迎を受けていた欽ちゃんの“リレーやり直し”だったが、ネットでは「なんたる偽善」「チベット人のことをまったく考えていない」「自己満足だ」のほか、尊敬しているというチャーリー・チャップリンと比較して「横暴な独裁者に対する風刺もなければ、緊張の弛緩による笑いも無い」という批判が相次いだ。特に「欽ちゃんのところで(妨害行為を)やんないでよ。ハッピーで終わりたいと思ってたのに」(毎日新聞より)との発言には、多くの人が「失望した」としている。

その一方で、「星野仙一よりは欽ちゃんのやった事のほうが筋が通ってるな。市民とのふれあいが必要って言って、ちゃんとそういう場を用意した」と称賛するコメントや、上記の発言直後に欽ちゃんが「でも欽ちゃんの前で何か伝えたいと思ってやってくれたのなら、それは嫌じゃないな」と語っていた部分を報道ではカットされていたことを指摘する声も上がっているのだ。

そんな欽ちゃんの聖火ランナーぶりに対して、ビートたけしが4月28日発売の東京スポーツ紙上で痛烈に批判した。「この人おかしいよ。お笑いのくせに、愛と涙ばっかりしやがって。インチキくせえことばっかり。お笑いなのに何にもギャグやんないんだから。」「例えばジャージをパッと脱いだらその下に『チベットを救え!』とか書いておくとか、そういうパフォーマンスでもしてくれないとちっとも面白くねぇし。」と“芸人失格”の烙印を押したと思えば、「この人チャップリンに憧れててさ、『愛と感動の』なんて言うんだったら、今回の聖火ランナーになるのはおかしいよな? チベットの人権問題を考えれば。」と、反骨精神が感じられないことにも苦言を呈している。

この批判は、第1走者として参加していた星野仙一・北京五輪野球日本代表監督にも飛び火し、「大体お笑いなんて反逆的なことじゃない? 国に媚びるような芸人なんて面白くない。そういうのは星野仙一さんに任せておけばいいんだよ。」と、こちらも容赦なく斬り捨てた。

これについて、もともと“反欽ちゃん感情”が強かったネットでは「よく言った」「正論だ」「この人しかメディアにのせてこういうこと言えないからね…」などのコメントが見られるものの、「言ってることは正論なんだがたけしはたけしでなぁ……」「正論だがあの状況でたけしならギャグができたかというと無理だろう」「たけしもお笑い忘れて文化人気取りやん」という指摘も少なくなかった。

こうした賛否が飛び交う2人に対し、多くの称賛を得ているのが、「善光寺が燃やされる」というデマを真に受けて長野市に駆けつけた江頭2:50。日刊スポーツよると、「定番の裸、黒タイツ姿で登場。大漁旗のように揺れる中国とチベットの旗に背を向け、周囲ににらみを利かせながら、沿道の最前列に陣取った」そうで、「今回、実際に行動に出たのはエガちゃんだけだし」「欽ちゃんへの批判を言う資格があるのは、たけしじゃなく江頭なんだよね」など、手放しで絶賛されているのだ。

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