政治家の子女に不当な学位授与か、ウェスト・ヴァージニア州立大学。

2008/04/25 12:40 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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北米での大学進学情報や、SAT(大学への入学申請に必要な共通試験)の模擬試験を実施する「プリンストン・レビュー」。この企業団体が毎年発表している大学ランキングで、昨年見事「全米No.1のパーティ・スクール」という不名誉な王冠を手にしてしまったウエスト・ヴァージニア州立大学(WVU)。キャンパスから離れると四方に農場や緩やかな山地が広がる、「陸の孤島」状態のこの大学では、バカ騒ぎすること以外にすることがないのかもしれませんけど……。ってか、だったら少しは勉強しなさいよ、まったく〜(汗)。

さてそのWVUから、またまた不名誉なニュースが流れてしまいました。同州知事の子女に対して不当な便宜をはかり、必要単位などが規定に達していないのに学位を与えたというのです。このたび、大学職員の内部告白で明らかになったそうです。

同大学の学長であるマイケル・ギャリソン氏はジョー・マンチン州知事と以前から家族レベル交友があったそう。今回問題になっているのは、この州知事の娘が昨年取得したという、経営修士(MBA)。なんでもろくに授業にも出席していないのに、学校側が彼女に学位をあげちゃったと。真面目に学生している人にしてみりゃ、そりゃ不公平ってもんです。いわゆるお偉いさん同士の癒着ってやつですね。

しかしこの問題の知事の娘は、学位は自分が正当に努力して得たものだと主張。米国では他の学校で取得した単位や、インターンシップで得た経験を単位として計上出来るシステムがあります。特にMBAだと後者はよくある話。で、彼女のケースも、すでに働いていた会社での経験が、上記の「インターンシップ」に当たるんだ、ということなのです。

しかしながら、これもかなりあやふやな説明。今回の件が問題視されてから、とって付けたかのような説明に終わっていると批判の的になっています。さらに告白内容によると、彼女の卒業直前に、学位授与を決定するための「特別会議」が開かれ、その際には学長の代理がこの会議に出席し、

「満場一致で、ここは手っ取り早く決めようじゃないか」

と、圧力的なニュアンスで押し切ったらしい(汗)。わー、やなおっさん(笑)。

さーて、この大学と州を巻き込んだスキャンダル。今後は政府が乗り出して捜査、処分を決定するそうですが、お裁きはいかに?


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