「公取委さん最高っす」JASRAC立ち入り検査にネットから称賛の声。

2008/04/23 22:41 Written by コジマ

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作詞者や作曲者など音楽の著作権保有者から信託を受け、著作権の管理などを行っている日本音楽著作権協会(JASRAC)。音楽の利用許諾から使用料徴収、著作権侵害の監視などを権利者に代わって行うため、ミュージシャンにとってはありがたい存在となっている。

しかし近年は、坂本龍一や大槻ケンヂなど権利者側がJASRACに対する不満を公にしており、使用料の徴収方法や重すぎる負担など、さまざまな問題点がメディアで取り上げられるようになった。それに加え、ネットの普及とともに一般からの批判も強まっていたのだ。

こうした中で4月23日、公正取引委員会がJASRACに対して初めての立ち入り検査を行った。容疑は独占禁止法違反(私的独占)。JASRACは、放送事業者との間で音楽放送事業の収入の1.5%を支払えば、同協会が管理している楽曲を自由に使えるという「包括徴収契約」(ブランケット契約)を結んでいる。その徴収額は、年間約260億円にものぼるのだとか。しかし、この「包括徴収契約」によって、他の著作権管理事業者の参入を困難な状態を生んでいる。公正取引委員会はこの状態を「私的独占」に当たるとして、今回立ち入り検査に踏み切ったのだ。

以前からJASRACに対する不信感を叫ぶ声が強かったネットでは、この立ち入り検査を絶賛。「4月一番のグッドニュースだ」「やっとこの時がきたか…」「むしろ今まで放置してたのが不思議だ」「公取委さん最高っす」などのコメントが相次いだ。このほか「でもまだ調査だけじゃん」「ぬか喜びにならないか心配だ」などの声はあるものの、JASRACを擁護するコメントはほぼ皆無となっている。

JASRACの音楽管理事業の独占は、前身の大日本音楽著作権協会の設立から60年以上続いていたが、01年に著作権等管理事業法が施行されたことによって数社が音楽著作権管理事業に参入。しかし、上記の理由により“独占状態”は変わらなかった。今回の立ち入り検査を機に現状が改善されれば、現在世界的なムーブメントになりつつあるミュージシャンによる音楽コンテンツの無料配信・発表や自由価格販売が、日本でも気軽に行われるようになるかもしれない。

また、JASRACは“独占状態”のほかにも、権利者への使用料分配が不透明な点などが指摘されているため、ネットからはこうした問題点の解明や情報開示を強く求める声も上がっているのだ。

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