「6月1日はケンタとマックが標的」中国でデモ呼びかけチェーンメール。

2008/04/23 17:30 Written by コジマ

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中国政府のチベット自治区ラサの暴動鎮圧に端を発し、各地で妨害活動が続く北京五輪の聖火リレー。人権問題に敏感な欧米では中国政府を批判する声が高まっている一方、中国国内のネットでは妨害が行われた国に対し「中国の面子を潰した西側諸国とは断交すべき」「西側諸国での聖火リレーを取りやめよう」といった発言が相次いでいる。

特に、聖火が何度も消え、途中打ち切りとなったパリ聖火リレーに対する怒りはすさまじく、中国に進出しているフランス系大手スーパー「カルフール」への抗議活動やネットでの不買呼びかけが行われている。カルフール側は北京五輪の成功を願う声明を発表して事態収拾を試みたものの、中国のテレビキャスターが自国民に理性的な対応を求めるコメントの中で「カルフール従業員の大半は中国人だ」と発言したことから、逆に非難が殺到した。また、4月21日にカルフールの中国語サイトが閉鎖されたが、ハッキング被害によるものという見方が強まっているのだ。

こうした怒りは、議会でチベット問題に関する対中非難決議を可決した米国の企業にも向けられ、中国国内では現在「5月1日はウォルマート、6月1日はケンタッキー、マクドナルド、ピザハット」と抗議活動の日付と標的を示したチェーンメールが飛び交っているのだとか。このメールはチベット問題に関する欧米各国の動きを記すとともに、「21世紀の中国に対し、『8か国連合軍』は何がしたいのか? 世界人口の4分の1は中国人だ。14億人民の団結力と見せてやろう」(レコードチャイナより)と呼びかけている。

また、中国紙「環球時報」が同紙のウェブサイト「環球網」で聖火リレー問題に関するアンケートを実施したところ、有効回答者数1万6312人のうち、96%がパリのベルトラン・ドラノエ市長に対して「五輪組織委員会に謝罪すべき」と回答。アンケートの掲示板には「パリ市長は中国人だけではなく、世界の市民の感情をも傷つけた」「パリ市長が抗議活動を容認していなければあのような混乱は起きるはずがない」(レコードチャイナより)などの批判コメントが寄せられたという。

ドラノエ市長は、4月16日にチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世にパリ名誉市民の称号を贈ることを議会に提案すると発表しており、この件でも中国人ネットユーザーの怒りを買っている。ただ、こうしたネット反欧米ナショナリズムや抗議活動に対し、冷静な意見を述べているネットユーザーも少なくないようだ。

一方、4月26日に開催される日本での聖火リレーに向け、日本中国留学生学友会が日本各地の留学生ら約2000人を開催地の長野市に集結させる計画を進めている。同会の会長は、衝突や暴力行為を起こさないよう参加者に呼びかけていると強調しているものの、4月21日のマレーシア聖火リレーでチベット旗を取り出し「フリーチベット!」と叫んだ日本男性らが現地の中国支持派から袋叩きに遭っているため、小競り合いになる可能性は否めないのだ。

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