スーパーの従業員教育が「学位」に、 英国大学でコース開始へ。

2008/04/14 15:05 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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買い物客として、あまり気にも留めないことが多いのですが、スーパーなどの商品の陳列(ディスプレイ)って、実はマニュアルで事細かに指摘されているんだとか。

有名な話なのが、チューインガムはレジの近くってやつでしょうか。レジの待ち時間を利用した衝動買いをそそる方法ですね。あとは、人気商品は目線の棚に。売れ筋はインパクトを出すために高く積み上げる。チーズとワインといった関係商品は一緒に陳列するとよく売れる、などなど……。いわれてみれば当たり前なんですけど、この他にも消費者が気が付かないいろいろな「買わせる」テクがありそうです。

さて、英国の最大手スーパー「テスコ」がこのたび、この「商品の陳列方法」といった、今までは従業員用にのみ使用していた社内ノウハウを、小売店ビジネスのマネージメント学として集約。それを「学位」として広く一般向けに伝授することにしたとか。マンチェスター・メトロポリタン大学と提携し、今受講者を募っているのだそうです。

「The Tesco Foundation Degree」と呼ばれるこのコースは全工程が2年間の予定で、今月から開始予定。全てを終了する時点で、大学の商学部における、短大卒業レベルの資格が所得できるそうです。

ただ、この大手企業が教育の世界に着手することを喜ばない声もあるそう……。次々に提供される多様な「学位」が、結果として高等教育の全体的なレベルを下げているのではないか? という疑問も投げかけられているのです。

それでも、今までは企業秘密として外部には出されなかった大手スーパーの運営方法。それを間近に学べるというチャンスは、やっぱり学ぶ側としては魅力ではありませんか。一部の反発はあるものの、受講希望者は多いかもしれませんね。

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