映画化されたこともあるので有名な小説ですが、貴志祐介の「黒い家」、お読みになった方はいらっしゃいますか？ ウォール真木も数年前に手にしたのですが、いやはや本当に怖い小説でした（涙）。不気味な細菌だとか怪物だとか、そういうSiFi的な敵が登場するワケでもなく、人間の狂気を淡々と描いている内容は、実際に起こってもおかしくないだけに、恐ろしさ倍増……。

この「黒い家」は保険金詐欺を目的とした殺人事件が題材でしたが、英国でも殺人までは行かなかったものの、あまりにも痛ましい事件があったのです。先日その犯人が3年の実刑判決を受け、刑務所送りになりました。

西南部の海洋都市プリマス。ここに住む32歳のゴードン・トンプソン受刑者は、一昨年前、当時付き合い始めたばかりのガールフレンド、エリザベス・ヒングストンさんに怪我を負わせ、彼女に支払われる保険金を横取りしようと計画を立てました。自宅の塀が足に落ちてきた……という設定で彼女の足を折ったというから驚き。しかもやり方がおぞましい。レンガの上に彼女の足を置いて、その上に勢いをつけて彼がジャンプしたとか……（涙）。

ヒングストンさんの怪我は重症で、砕かれた骨を補強するための器具を入れる手術を要し、その後も彼女は半年も歩くことが出来なかったそうです。ひどすぎるっ（怒）！！

しかし、この出来事が公になる日が。違法薬物の常習犯だったトンプソン容疑者のアパートが、家宅捜査されたことが転機になりました。その時に押収された携帯電話に、なんと先のヒングストンさんの足を折る瞬間を納めた動画が保存されていたのです。

彼女の足を折るという卑屈な行為に出た彼ですが、それを面白おかしく撮影していたのですから、呆れて開いた口もふさがりません。

しかしそのお陰で彼の悪事が世にバレて、警察の御用になったのは不幸中の幸い。こんな悪人、3年といわずもっと長い間刑務所に入れて置いてください。まったく、もーっ！