巨人の上原投手がメジャー挑戦へ、周囲からは“酷使”に不安の声。

2008/04/07 19:26 Written by コジマ

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これまでの選手に加え、今季は5人の日本選手が加わった米大リーグ。打者の福留孝介外野手(シカゴ・カブス)が開幕5試合を終えて打率.500、出塁率.600を記録したかと思えば、黒田博樹投手(ロサンゼルス・ドジャース)もデビュー戦で7回1失点で初勝利を挙げるなど、今季の「ルーキー」たちも活躍をしている。メジャーからは中継ぎ投手としての日本選手が注目されているようだけど、黒田投手や松坂大輔投手(ボストン・レッドソックス)らの奮闘により、先発投手としても活躍できることが再認識されているのだ。

こうした中で、日本球界を代表する先発投手である巨人の上原浩治投手が、4月4日にフリーエージェント(FA)権の取得条件を満たし、7日に記者会見を実施。 「自分は海外でやりたい目標がある」(スポーツニッポンより)と述べ、事実上のメジャー挑戦を表明したのだ。

大阪体育大時代にアナハイム・エンゼルス(当時)からも声をかけられた上原投手は、1998年の巨人入団当初からメジャー志向が強いのはご存じのとおり。04年オフにはイチロー外野手(シアトル・マリナーズ)や松坂投手らと同じポスティング制度を使って大リーグへの移籍を願い出たものの、球団側が却下。それならばと、ポスティング制度を認める他球団へのトレードを要求したのだけれど、これも球団側が拒否し、FA権を取得するまで残留することを求めていたのだ。

こうした経緯があったことから、上原投手はFA権取得条件を満たしたことについて「10年でやっと取れた。長かったなあという思いがある」(スポーツニッポンより)とし、国内移籍はきっぱりと否定。大リーグについては「夢としてはとらえていない。目標なので」(同)と述べ、自身のブログで桑田真澄投手の引退に際して「俺も3日で33歳やもんな〜。あと何年、ユニホーム着れるんやろって考えてまうもん。頑張るぞ〜!!」としていたように、「自分も先が長くないと思うし、目標を達成して終わりたい気持ちが強い」(同)と、改めてメジャー挑戦を表明したのだ。

上原投手の今季年俸は4億円。広島時代に年俸2億5000万円だった黒田投手が3年総額3530万ドル(約35億円)でドジャースと契約していることから、どのくらいの巨額契約になるかについても注目を浴びそう。一部では福留選手や黒田投手と同様、元マリナーズの長谷川滋利氏を通じて米マネジメント大手のオクタゴンと契約する方向で動いていることが報じられている。

その一方で、投手力不足に悩む巨人が上原投手をフル回転することは必至で、さらに、8月の北京五輪では星野仙一監督が先発だけでなく抑えとしての役割も果たしてくれることを期待している。こうした“酷使”に対して、両脚に不安を抱える上原投手が耐えられるかどうか心配する声も上がっている。これまで歯に衣着せぬ物言いで球団を批判してきた上原投手だけに、「会長命令によって潰される」なんてあらぬ考えも浮かんできてしまうのだ。

いずれにせよ、上原投手が「目標」に一歩近づいたのは事実。以前からメジャー移籍を明言している中日の川上憲伸投手も3月30日にFA権の取得条件を満たしており、今オフは75年生まれの両投手が日本球界を去ることになりそう。ちなみに、上原投手は先発へのこだわりはないそうで、メジャーではクローザーとして活躍する可能性もあるのだ。

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