J1大宮の社員選手が1試合2得点、「日当500円」にも笑顔。

2008/04/06 14:06 Written by コジマ

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5連勝中の鹿島やドラガン・ストイコビッチ監督率いる名古屋の躍進に加え、開幕から2連敗を喫した優勝候補の浦和と川崎Fが勢いを取り戻し、活気が満ちてきたJリーグ。鹿島と浦和が直接対決する第6節(4月13日)は、序盤のハイライトとなりそうなのだ。

そんな中で、日本代表のエースでもある浦和のFW高原直泰選手が日本復帰後いまだ0得点と、ケガもあって精彩を欠いている。3試合ぶりに先発出場した4月5日の古巣・磐田戦もシュート0本で終了し、腰痛のFW永井雄一郎選手と途中交代させられた。日刊スポーツは、この試合で高原選手交代後に前線で活躍したDF田中マルクス闘莉王選手を、代表の「FW枠」に推薦しているのだ。

こうしてJリーグ日本選手最高年俸(推定1億4000万円)の高原選手が不発な一方で、大宮の社員選手がJリーグ入り後初めて1試合2得点を記録し、チームに今季2勝目をもたらした。32歳のMF斉藤雅人選手は旧JFL時代から大宮に所属する生え抜きながら、母校・武南高の先輩であるF東京のMF浅利悟選手と同様に社員選手。NTT東日本から大宮の運営会社「NTTスポーツコミュニティー」への出向という形を取っており、年俸はJリーグ平均(約2000万円)にも満たない1000万円以下で、勝利給も出ないのだとか。

斉藤選手は昨季の最終節(対川崎F)で、チームのJ1残留をもたらした自身のJ1初ゴールを決めたばかり。1試合2ゴールは武南高時代以来とのことで、J2時代も年間で1〜3得点だっただけに本人も驚いているみたい。さらに、「これで日当つきますね。たぶん、500円くらいです。ナイターなら残業代で500円から1000円くらいですけどね」(日刊スポーツより)とさわやかな笑顔で喜んでいたという。人柄がファンに愛されている斉藤選手らしいエピソードなのだ。

プロ契約の話は何度もあったものの、社員選手を貫いてきた斉藤選手。高年俸のスター選手の華やかさに憧れる人は多いけれど、プロでの実力が不足した場合や引退後の生活を考えると、社員選手は賢明な選択なのかもしれない。J1でもこうした契約形態を復活させれば、選手の裾野が広がる気がするのだけど……。ちなみにF東京の浅利選手も、今季初先発した5日の札幌戦で先制点をアシストしているのだ。

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