これまで2作品を公開し、2作目が実写邦画興行成績歴代1位（173億5000万円、総合4位）を記録した映画版「踊る大捜査線」。誰もが認める人気映画なだけに、続編を求める声はファンだけでなく製作サイドからも上がっていたのだけど、製作されるのは織田祐二が出演しないスピンオフ作品ばかり。こうしたことから、続編を嫌う織田裕二の意向やその織田祐二と柳葉敏郎の確執などがささやかれていたのだ。

ところが、2作目の公開から5年を経た今年、タブロイド紙などで3作目製作の噂が相次いで報じられ、内外タイムスはフジテレビ系ドラマ「SP」とコラボレーションすると伝えていたのだけど、実際の警視庁東京湾岸署の開署式が行われた3月31日、3作目の製作が正式に発表されたのだ。

会見を開いたフジテレビの亀山千広映画事業局長（同作総監督）によると、これまで同様、本広克行監督と脚本家の君塚良一氏が手がけ、織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、ユースケ・サンタマリア、水野美紀といったメインキャストもそのまま出演するという。織田裕二のスケジュール調整から、撮影は来年に行い、公開はそれ以降になるのだとか。公式サイトには、東京湾岸署オープンへ向けた織田裕二の「『踊る大捜査線』で走り回ったこの地区の治安がますます万全になることを心強く感じています。わたくしも、今まで以上にアツい気持ちで『次の事件に』取り組みたいと思っています」という祝電が掲載されている。

撮影開始までに時間があるため、脚本などはまだ練っている段階なものの、織田裕二扮する青島俊作刑事は巡査部長から係長に昇進し、深津絵里が演じる恩田すみれ刑事は結婚するといった構想を披露。また、ファンが気になる故いかりや長介さんの名演が光った和久平八郎指導員に関しては、「どうするか考えていますが、みんな思いはありますので」（サンケイスポーツより）と登場する可能性を示したのだ。

このほか、新人が配属されることや旧湾岸署から実際の新湾岸署に引っ越しするシーンから始めることなどを発表したものの、同じく亀山局長が総監督を務めた「SP」とのコラボレーションについては触れていない。まずは映画版「SP」の正式発表、その後に「踊る〜」とのコラボと、段階的に発表されていくのかも。

テレビシリーズ終了後10年以上経った現在も不動の人気を誇る「踊る大捜査線」、3作目は2作目の記録を塗り替える可能性が高い。昨年度に落ち込んだ邦画界にとっても、明るい話題をもたらしそうなのだ。