犬をピンクに染めて罰金、コロラド州の女性が自治体に反論。

2008/03/12 11:58 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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米国では国や州、はたまた市や町といった自治体レベルいろいろな法律が制定されています。しかし数が多いだけに、中には大変奇妙なモノも存在するのです。

例えばミズーリのセントルイス周辺では、

「市内の道の角に座り、バケツからビールを飲んではいけない」
「牛乳配達夫は仕事中に走ってはいけない」
(セントルイス市)

「女性が4人でアパートを借りてはいけない」
(ユニバーシティ・シティ -セントルイス郡-)

という決まりがあるそうです(爆)。大体、バケツからビール飲もうとする人が法律で取り締まらなきゃいけないほど、大勢いるのかどうかも疑問だし……。牛乳配達夫が走ってはいけないのは、牛乳瓶を落とさないように、安全を考えて、という想像が出来ますが。

しかし、気になるのがユニバーシティ・シティの法律。ここは大きな大学がある地域なので、ルームメイトとして複数の学生がアパートを借りることが珍しくありません。なのにどうして「女性だけ4人」という限定で規則があるのでしょう? 不思議……(汗)。

さて、そんなバカバカしい法律があちこちに転がっている米国。デンバーにお住まいのとある女性も、この手の類でちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまったそうです。

日本でもお馴染みとなった「ピンクリボン」に代表されるように、乳がん撲滅のキャンペーンはピンクがテーマ・カラーとなっています。毎年、10月になると、米国ではいろいろなアイテムがピンクに染まります。日用品から食べ物(ピンク色のカップケーキとか)まで、本当になんでも桃色、桃色……。

その乳がん撲滅を支持する女性の1人、ジョイ・ダグラスさん。以前から飼い犬のプードルをピンクにしているのです。カラフルな毛並みの犬が町を歩けばそれだけ目立ちますから、確かにキャンペーンのサポートをしているともいえましょう。ちなみに彼女が使用しているのは、ビートという赤いカブのような野菜の絞り汁か、「クール・エイド」という粉末ジュース(チェリー味とかでしょうか? 赤だから)。犬が誤って舐めてしまっても中毒にならないよう、染め剤にも気を配っているのです。

ところが、彼女の住むボールダーには

「家畜の毛や羽を染めてはいけない」

という「?」な法律があるのです。実は以前、イースター(感謝祭)になるとウサギやヒヨコをパステルカラーで着色し、それをペットとして売り物にしていたのです。ところが、イースターが終わるとその動物たちをいとも簡単に捨ててしまう人々が続出……。それではモラルがないと制定された法だったのでした。

ところが動物愛護教会は、この法律は犬を含む全てのペットに該当すると主張。ダグラスさんの犬も法律で守られるべきだとして、自治体に訴えたのです。そして市から警告が出され、しかもそれを彼女が無視し、最後は自治体が強引に罰金を取り立てることにまでなったのでした……。ちなみに罰金は1,000ドル。10万前後をペナルティーで持っていかれるのは辛いぞ(汗)。

ダグラスさんはこの決定を不服とし、

「動物を虐待しているワケじゃないし、それに『乳がん撲滅』の意識を高めるために、私のペットは役立っているのよ」

と反論。今後は裁判にて上訴する予定だそうですが、果たして結果はどうなるか。

それより当事者であるプードルは、この騒動を少しでも理解しているのでしょうか?

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