19歳の米兵士、女性として第二次世界大戦後初の銀星章に。

2008/03/10 13:47 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


軍の英雄に与えられる勲章。活躍の度合いによって与えられる勲章のランキングがあるそうですが、その中でも「銀星章」(Silver Star)というのは、最も栄誉のある「Medal of Honor」から数えて4番目にあたる、かなり上のモノだそうです。今まで授与されたことのある人物としては、ノルマンディー上陸作戦で活躍したジョージ・パットン将軍(彼の生涯は「パットン大戦車軍団」として映画化もされている)や、おなじみダグラス・マッカーサー元帥などがいるそうです。もちろん、彼らはこれよりも上の勲章を与えられていますが(実際、マッカーサーは銀星章は2つ持っていたし)、それでもこれを受け取る人はかなりの英雄でないと該当者にならないそう。

その名誉ある銀星章を、このたびテキサス出身の女性が授与されることになったそうです。女性としては第二次世界大戦中、4人の看護婦兵が受け取って以来のことで、史上2度目なんだとか。しかもこの女性はまだ19歳という若さというから驚きです。

モニカ・リン・ブラウン特技兵は、陸軍兵士として昨年4月にアフガニスタンで赴任中でした。救急隊員として、負傷した兵士を応急手当する役割を担っていたそうです。ある日、彼女の属する軍隊が移動中に爆破攻撃を受け車両が炎上、5人が負傷してしまいます。しかし彼女とその他の兵士数名は、己の危険を顧みず救出に走りました。敵からの銃弾が飛び交う中へ飛び出して行き、その兵士たちの元へ。そして自分の体を盾にしつつ、彼らを安全な場所まで移動させたのだとか。

女性が大人ひとりを背負うといえば、相当の力が必要なんですが(汗)。それでも数百メートル離れた安全な場所まで、5人全員を移動させ適切な応急処置を行い、救出のヘリコプターが到着するまで待機したブラウンさん。その後負傷した彼らは全員、一命を取り留めたそうです。

爆破の瞬間から救出が終わるまで、いつ自分も撃たれるか判らない状況にいながら、彼女はとにかく何も考えられずに、

「ロボットになったみたいに」

ただ戦友を助ける任務だけにひたすら集中したそう。恐怖心もかなぐり捨てて、なかなか出来ることじゃありませんよね。

陸軍も彼女を

「己を犠牲にした勇気ある行動として、戦地に赴く兵士全員の鏡」

として称えているとか。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.