女性社員がメルマガでわいせつ被害暴露、プロレス団体に批判殺到。

2008/02/19 17:41 Written by コジマ

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人気低迷が問題化していたプロレス界だけど、「ハッスル」や各団体の交流などで再び注目を浴びている。その中でも、ファンに密着した興行で人気を集めているのがインディー団体。大阪プロレスや静岡プロレスなど地域密着型の「ローカルインディー」も現れ、プロレスを知らない人たちにも裾野を広げているのだ。

こうしたインディー団体の1つである大日本プロレスで、メールマガジン担当の女性スタッフが他団体の選手に強制わいせつ行為を受け、そのことを大日本プロレスの公式メルマガで暴露するという事件が起きた。これに対して、大日本プロレスの取締役(統括本部長)の登坂栄児氏が公式サイトやテレビ番組で謝罪と経緯の説明を行ったものの、その対処に批判が殺到しているのだ。

事件が起きたのは、1月20日に行われた大日本プロレス千葉ブルーフィールド大会。当日券売り場にいた女性スタッフが、大会に参加していた他団体の選手から会場事務所付近で強制わいせつ行為を受けたとされている。被害女性によると、上層部に「今回あった事を公表して欲しい」と直訴したものの、「公表したら皆が損するんだよ?君がそんな態度じゃ一緒に仕事出来ないよ」と泣き寝入りを強要され、休職も言い渡されたそうなのだ。

この経緯を被害女性から聞き、対処に疑問と憤りを感じたリングアナウンサーの村上☆健氏が自身のブログ「Dreamin' Project〜ドリプロ!〜日記」で事件をにおわせる内容を書いたことによりプロレスファンの間で話題となったのだけど、2月16日に上層部は同氏に対して無期限出入り禁止に処した。

さらに同17日、登坂統括本部長が自身のブログ「登坂栄児の“徒然ブチョー”」で「村上リングアナに関しましては上記の件に関わる話し合いでの同意を得ながらも実際の行動が伴わず、その後も再三再四話し合いやアドバイスをさせて頂きました。残念ながらその後も変わらず、スタッフや社員を混乱させる事が続き、昨日も再びそのようなことがおこりましたので現地で会った上で現場から離れて頂きました。」と説明。「最後になりますが一連の事で多くの方に不安や迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。」と、一方的な終息宣言とも取れる内容を記した。

これに憤慨した被害女性が、同日のメルマガで事件の経緯や“隠ぺい工作”を暴露。登坂本部長の「公式にお伝えしないスタンスをとったのは立場的に弱い(と私が考える)側が以前と変わらぬように大日本に携われるようにと配慮したつもりであります」に対して「それが真意だとすれば 何故ボクは『皆が損するから今後も公表はしない』等と言われたのか」と反論し、「ほいだば皆様。今までお世話になりました。こんなメルマガ書いたボクがただで済むわけないッス。」というお別れの言葉とともに、「この風潮が治らない限り、被害者は増え続けます。」(原文ママ)との批判で締めている。ただ、加害者とされる選手の名前は公表せず、「公表するかしないかは団体にお任せします。」とした。ちなみに、この女性は自分のことを「ボク」と呼ぶ、いわゆる「ボクっ娘」なのだ。

これを受けて、登坂統括本部長は翌18日に公式サイトや記者会見で加害者がアパッチプロレス軍の金村キンタロー選手であることを公表し、経緯を説明。「この件に関しましてはファンの皆様をはじめ多くのの関係者にご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。」と謝罪した。金村選手の行為については「『挨拶がない』との理由で弊社女子社員を会場事務所付近で『お仕置きだ』と着衣の上から下腹部をさわった」とし、併せて同選手の無期限出場停止を発表している。またこの経緯は、大日本プロレス所属の伊東竜二選手のブログ「ドラゴン日記」にも掲載されている。

こうした一連の対処に対し、ネット掲示板や登坂統括本部長のブログに批判が殺到。金村選手の無期限出場停止に関しても「他団体の選手を出場停止にしても意味がない」などの声が挙がっている。一方で、村上氏のブログには応援メッセージが多数寄せられているのだ。

デスマッチとローカルインディー団体「横浜プロレス」で幅広いファンを獲得しつつあった大日本プロレス、そして「ハッスル」などに出場して知名度が上がってきた金村選手、ともにこんな事件で評判を落としてしまうのは残念な限り。とはいえ、強制わいせつにせよセクハラにせよ、犯罪であることに変わりないし、隠ぺい工作は最悪な対処。勇気をもって暴露した被害女性のためにも、納得する形で決着してほしいのだ。

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