ネット住人目線で歴史を身近に、書籍「歴史Web」売り切れ続出。

2008/02/15 23:57 Written by コジマ

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世の中に根強いファンが多いものの、嫌いな人はまったく受け付けない歴史の世界。ぼくの周囲にいるアンチ歴史派の人に意見を聞くと、「年代や人物名を覚えるのが面倒」「未来のほうが大切」などが多く、「学校で担当の先生が嫌いだったから」という声も少なくないのだ。

こうした歴史嫌いの人に、歴史を身近に感じてほしいと出版されたのが、書籍「歴史Web」。「2000年前にネットがあったら」という想定で企画され、幕府公式サイトや有名人物のブログ、「2ちゃんねる」風掲示板(弐ちゃんねる)などで邪馬台国から大政奉還までを紹介している。この書籍が1月の発売以来、話題を呼び、アマゾンや楽天などのネット書店では在庫切れ状態となっているのだ。

この本を出版しているのは、「歴史新聞」で知られる日本文芸社。「歴史新聞」は、タブロイド紙のノリで日本史の事件を解説(スクープ)したことで話題となったのだけど、同社が手がけるとあって今回の「歴史Web」も秀逸なのだ。

例えば、邪馬台国ホームページ(公式本家頁)では「吉報! 魏志に紹介されます!」と告知し、「うぃにぃ」で鉄砲製造技術が流出したことを謝罪するページも存在。「弐ちゃんねる」では“腐女子”が源義経と弁慶の衆道(同性愛)を妄想したかと思えば、「リアルタイム速報 関ヶ原」で「ちょwww加藤に福島www豊臣こっちwww頭悪すぎwwwwwwww」「動いた!小早川、大谷攻めた。裏切り!!! 小早川 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!」と実況で盛り上がる。また、竪穴式住居で暮らす主婦の「ドキドキ私の土器これくしょん」や、“犬公方”として知られる徳川5代将軍綱吉が「うちのワンコは日本一!」など、ブログも多彩なのだ。ちなみに、明智光秀のブログ「明智光秀・十兵衛日記」は本能寺の変後に炎上している。

ITmediaでは著者の藤井青銅さんにインタビューを行っているのだけど、それによると邪馬台国や幕府のオフィシャルサイトは地方自治体のサイトのイメージしており、「Webデザイナーに頼んだら今っぽくなりすぎちゃって。もっとダサくしてと注文を付けたこともありました」(ITmediaより)なんていうコダワリも語っている。

また、「コメント」を「意見」、「パスワード」を「暗号」など漢字に変え、時代を経るごとにカタカナを増やすなど表記にも心を砕いている。藤井さんは「いずれはWebに展開していき、夢は『歴史のWikipedia』ですね。歴史に詳しい人がページを作ってアップし、次第にリンクし合っていけば」(ITmediaより)と語っているので、ウェブで閲覧できる日も近いかも。

この「歴史Web」とは無関係に出版以前に始まった「偉人武露愚」というサイトでは、紫式部から福沢諭吉までの日本史上の人物はもちろんのこと、キリストやベートーベン、アインシュタインなど外国の偉人たちまでのブログが掲載されている。「歴史Web」が手に入らない人は、まずはこちらで楽しんでみてはいかが?

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