第14回全米映画俳優組合賞発表、「ノーカントリー」にまた栄冠。

2008/01/29 21:20 Written by モノメトロ編集部

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第80回アカデミー賞授賞式まであと1カ月を切ったが、いまだに開催か否かで紛糾した状態が続いている。その原因となっているストライキを続行中の米脚本家組合は製作会社と次々に合意に至っているものの、メジャー各社とは依然、対立したままだ。こうした中で、脚本家組合のサポートを得た全米映画俳優組合賞の第14回授賞式が開催された。今年度初のレッドカーペットイベントとなった今回は、アカデミー賞作品賞最有力候補の「ノーカントリー」(ジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督)が作品賞に当たるアンサンブル演技賞を受賞したほか、ハビエル・バルデムが助演男優賞に輝いた。オスカー獲得に向け、さらに一歩前進している。

全米映画俳優組合(SAG)が運営するこの賞は、選考員がアカデミー会員を兼ねている場合が多く、またアカデミー賞の最終投票締め切り前に発表されることから、前哨戦の中では最も重要とされている。05年度のアンサンブル演技賞受賞作品「クラッシュ」は、その年のオスカーを見事に獲得した。

今回は多くの映画賞が授賞式を中止する中で、SAGのスト支持によって脚本家組合が例年通りの協力を約束し、今年度の映画賞で初の授賞式開催となった。

「ノーカントリー」がアンサンブル演技賞、助演男優賞に輝いたほか、主演男優賞は「ノーカントリー」の最大のライバルである「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(ポール・トーマス・アンダーソン監督)に出演したダニエル・デイ=ルイスが獲得。ジョージ・クルーニーやジョニー・デップとの差をさらに広げている。

また主演女優賞は、前哨戦を総ナメにしてきた「アウェイ・フロム・ハー君を想う」(サラ・ポーリー監督)のジュリー・クリスティが受賞した。ジュリー・クリスティのオスカー獲得は、ほぼ決定だろう。ちなみに、最多ノミネートだったショーン・ペン監督作品「イントゥ・ザ・ワイルド」はいずれも受賞を逃している。

一方、テレビ部門は、米国では6シーズンにわたるエピソードが最終回を迎えた「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」が、エミー賞に続いてドラマ作品3部門を独占。また、コメディ作品では「30 ROCK」のアレック・ボールドウィンとティナ・フェイが主演男優賞、主演女優賞を獲得したが、エミー賞に続く作品賞(アンサンブル演技賞)受賞はならなかった。

[第14回全米映画俳優組合賞 結果]
◇映画部門
主演男優賞 ダニエル・デイ=ルイス (「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」)
主演女優賞 ジュリー・クリスティ (「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」)
助演男優賞 ハビエル・バルデム (「ノーカントリー」)
助演女優賞 ルビー・ディー (「アメリカン・ギャングスター」)
アンサンブル演技賞 「ノーカントリー」
アンサンブルスタント賞 「ボーン・アルティメイタム」

◇テレビ部門
主演男優賞(テレビ映画部門) ケヴィン・クライン (「AS YOU LIKE IT」)
主演女優賞(テレビ映画部門) クイーン・ラティファ (「LIFE SUPPORT」)
主演男優賞(ドラマ部門) ジェームズ・ギャンドルフィーニ (「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」)
主演女優賞(ドラマ部門) イーディ・ファルコ (ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア)
主演男優賞(コメディ部門) アレック・ボールドウィン (「30 ROCK」)
主演女優賞(コメディ部門) ティナ・フェイ (「30 ROCK」)
アンサンブル演技賞(ドラマ部門) 「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」
アンサンブル演技賞(コメディ部門) 「THE OFFICE」(米国版)
アンサンブルスタント賞 「24 −TWENTY FOUR−」
生涯功労賞 チャールズ・ダーニング

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