石川遼選手の迷彩ウエアはNG、女子の「ヘソ出し」も規制を検討。

2008/01/19 20:44 Written by コジマ

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昨年、マンシングウェアオープンKSBカップを15歳245日で優勝し、世界最年少優勝記録としてギネス認定された石川遼選手。愛称の「ハニカミ王子」が流行語大賞に選ばれるなど、一躍時の人となった。今年に入っても1月10日にプロ転向を宣言し、史上最年少プロ選手としてまだまだ話題を振りまいているのだ。

人気が高まるとともに石川選手に対する取材は過熱し、テレビ局が相次いで問題を起こしてしまうほどだったのだけど、報道の中で連日取り上げられていたのが石川選手の服装。ゴルフメーカーから提供されているものだけでなく、自分で選んだタウンファッションも取り入れているのだとか。本人も「勝負なので赤を着てきました」なんて述べており、取り上げられることに悪い気はしていなかったみたい。

ところがプロ転向に伴って、石川選手の服装に日本ゴルフツアー機構(JGTO)から「待った」がかかったのだ。問題となっているのは、石川選手が昨年のツアーで着用していた迷彩柄のカーゴパンツ。JGTOは「紳士のスポーツにふさわしくない」として、昨年12月に開かれた理事会で「迷彩柄のウエアとポケットの膨らんだ作業着タイプのズボンの着用は禁止」という項目をトーナメント規定に追加することを決定した。

ゴルフにはプロ・アマ問わず、ルールで規定されていないマナーが多数存在する。それこそ、集合時間から旗竿の持ち方まで、ありとあらゆる“暗黙のルール”があるのだ。宮里藍選手の人気が高まったときやハニカミ王子フィーバーのときにも、ゴルフ観戦に慣れていない観客がプレー中に携帯電話で写真を撮るなどのマナー違反が問題化した。

服装に関してもマナーがあって、名門のゴルフ場では襟なしシャツやジーンズを禁止しているところが多い。パブリックコースではかなり緩いところもあるみたいだけど。こうしたことから、石川選手の迷彩カーゴパンツに対して「伝統、格式を重んじるゴルフの雰囲気を損なう」(読売新聞より)という苦情が寄せられ、JGTOは今回の禁止を決定したそうなのだ。中には「迷彩柄は戦争を思い起こさせる」(同)という意見もあったのだとか。

また、プロゴルファーの服装といえば近年、一部で問題視されている女子の「ヘソ出しルック」。シャツの丈が短いためショットを打ち終わった後にウエアがめくれておヘソが見えるというもので、宮里選手や横峰さくら選手、上田桃子選手ら多くの女子プロが着用している。

日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は服装について、ジーンズやスニーカーの着用を禁じているものの「ゴルフメーカーがゴルフウェアとして販売しているものであれば可」としており、各選手の良識に任せていたのだけど、こちらも苦情が寄せられたことから昨年に検討を開始した。ちなみに、かなり短いシャツにローライズのショートパンツ、ヘソピアスという出で立ちでツアーに参加したアマチュアの金田久美子選手に対してはLPGAも許容できなかったようで、非公式ながら注意を行ったのだそう。

トレードマークのカウボーイハットが米国でも有名になった片山晋呉選手のように、服装は注目される要素の1つ。ファンやスポンサーを獲得したい若い選手にとって、実力以外で認知度を高めるチャンスとなっている。しかし、「行き過ぎた服装」によってすべてを規制されてしまっては、自らアピールする機会を失うことになる。とはいえ、どこからが「行き過ぎた服装」なのかは判断が難しいところ。若い選手の「良識」とファンの「良識」の間で、協会側も頭を悩ませているのだ。

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