映画専門誌「映画芸術」が選ぶ2007年度日本映画ベスト&ワースト10。

2008/01/17 11:50 Written by モノメトロ編集部

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戦前に創刊し、現在は1、4、7、10月末に発行している映画専門誌「映画芸術」。日本映画を中心に取り上げており、派手さはないものの濃い内容が業界関係者や映画ファンの信頼を得ている。そんな同誌が毎年発表しているのが、前年に公開された日本映画のベスト&ワースト10。今年も2007年度の20作品が発表された。ベスト1に輝いたのは、「サッドヴァケイション」(青山真治監督)。自分を捨てた母親への復讐心と愛の間で揺れ動く青年役を浅野忠信が好演し、第64回ベネチア国際映画祭にオープニング作品として正式出品された。一方、ワースト1には、松本人志初監督作品の「大日本人」が選ばれている。

「サッド ヴァケイション」は、「Helpless」「EUREKA ユリイカ」と続いてきた青山監督による“北九州サーガ”の集大成的作品。浅野忠信、石田えり、宮崎あおい、オダギリジョーといった豪華キャストをそろえたことでも話題になった。07年度の各賞を総ナメにしている周防正行監督の「それでもボクはやってない」を抑えて、堂々の1位に輝いた。

「それでもボクはやってない」に次いで3位となったのは、くらもちふさこ原作の漫画を映画化した「天然コケッコー」(山下敦弘監督)。朝日ベストテン映画祭で1位となったほか、主演の夏帆は報知映画賞、横浜映画祭で新人賞を獲得した。また、もう1つの山下監督作品「松ヶ根乱射事件」も5位に選ばれている。

一方、ワーストテンでは1位「大日本人」のほか、東京都知事の石原慎太郎氏が製作総指揮・脚本を手がけた「俺は、君のためにこそ死ににいく」(新城卓監督)が2位、北野武監督の「監督・ばんざい!」が3位で、異例のヒットを記録した「恋空」も4位に選ばれている。

[映画芸術 2007年度日本映画ベスト&ワースト10]
◇ベストテン
1位 サッド ヴァケイション(青山真治監督)
2位 それでもボクはやってない(周防正行監督)
3位 天然コケッコー(山下敦弘監督)
4位 魂萌え!(阪本順治監督)
5位 松ヶ根乱射事件(山下敦弘監督)
6位 叫 さけび(黒沢清監督)
7位 しゃべれども しゃべれども(平山秀幸監督)
8位 サイドカーに犬(根岸吉太郎監督)
9位 国道20号線(富田克也監督)
10位 ジャーマン+雨(横浜聡子監督)

◇ワーストテン
1位 大日本人(松本人志監督)
2位 俺は、君のためにこそ死ににいく(新城卓監督)
3位 監督・ばんざい!(北野武監督)
4位 恋空(今井夏木監督)
5位 さくらん(蜷川実花監督)
6位 オリヲン座からの招待状(三枝健起監督)
7位 スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ(三池崇史監督)
8位 遠くの空に消えた(行定勲監督)
8位 どろろ DORORO(塩田明彦監督)
10位 蒼き狼〜地果て海尽きるまで〜(澤井信一郎監督)

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