長谷川穂積選手が20連勝、バンタム級日本人最多防衛を達成。

2008/01/10 22:42 Written by コジマ

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亀田兄弟や昨年10月に行われた世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者の内藤大助選手(宮田)と亀田大毅選手(共栄)の試合が話題になるなど、再び注目を浴びているボクシング界。日本には現在、内藤選手を含めて5人の世界王者がいるのだけど、その中でも最重量級王者として日本のエースに君臨しているのが、WBC世界バンタム級王者の長谷川穂積選手(真正)なのだ。

長谷川選手は2005年に世界戦に初めて挑み、辰吉丈一郎選手(大阪帝拳)を2度、西岡利晃選手(帝拳)を4度退けて「日本ボクシング界の宿敵」をいわれたWBC世界バンタム級王者のウィラポン・ナコンルアンプロモーション選手(タイ)に対して判定で勝利。6年3カ月続いていた“ウィラポン王朝”を崩したのだ。

その後もウィラポン選手との再戦を含めて王座を4度防衛しており、バンタム級世界戦5勝は日本プロボクシング協会会長の原田政彦(ファイティング原田)氏や薬師寺保栄氏らに並んで日本人最多タイ。05、06年と連続でMVPを受賞(07年は内藤選手が受賞)するなど、まさに日本のエースとなっている。

ジム移籍の問題でなかなか試合ができなかった長谷川選手だけど、1月10日には5度目の防衛戦が行われ、8カ月ぶりにリングへ上がった。今度の対戦相手は、WBC世界バンタム級1位のシモーネ・マルドロット選手(イタリア)。27戦26勝(9KO)1敗の戦績は長谷川選手の24戦22勝(7KO)2敗を上回っているものの、対戦相手が無名選手ばかりだったことから下馬評では長谷川選手が有利とされていたのだ。

試合は、序盤から長谷川選手が持ち前のスピードを生かして主導権を握りながらも、2回にマルドロット選手の左フックをもらって右まぶたから流血してしまう。マルドロット選手がこの傷口を狙った攻撃を繰り返したために長谷川選手は苦しんだものの、打ち合いから今度はマルドロット選手の右まぶたを流血させる左フックが炸裂。長谷川選手のスピードは終盤までマルドロット選手を圧倒し、3-0の判定で勝利を収めた。長谷川選手はこれで20連勝となる。試合後、リング上で人目もはばからずに号泣していたマルドロット選手が印象的だったのだ。

KOが奪えなかったことにちょっと不満が残り、長谷川選手も試合後に「全然、自分のしたいボクシングができない。勝ったことだけが良かった。申し訳ない」(スポーツ報知より)と反省していたのだけど、とにもかくにも5度目の防衛成功はバンタム級日本人選手の最多記録を更新。在位期間も2年8カ月24日となり、間もなく同級日本人選手歴代最長記録である原田氏の2年9カ月9日を抜く。同氏やボクシング評論家のジョー小泉氏に続いて、引退後は殿堂入りする可能性が高まってきたのだ。

また、この日はバンタム級のダブル世界タイトルマッチとなっており、世界ボクシング協会(WBA)では、同級4位の池原信遂選手(大阪帝拳)が世界戦に初挑戦。しかし、王者のウラジミール・シドレンコ選手(ウクライナ)を攻めあぐみ、0-3の判定で敗れた。

池原選手は「前に出てくるプレッシャーがきつかった。正直、チャンピオンが強かった。悔しいが、今、持ってる自分の力は出せた」(サンケイスポーツより)とし、観戦していた辰吉選手は「(池原は)チャンスが2度とないと思っている人間のスタイルじゃない。相手を殴り飛ばしてでもベルトを取るつもりじゃないと」(同)と酷評していたのだけど、6度目の防衛に成功した王者は「今回の防衛が一番つらかった。池原が良かった。頭で考えてしまったかもしれない。3回からKO勝負には出ないようにした」(同)と対戦相手に賛辞を送っているのだ。

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