フィギュアGPファイナル、SP最下位だった浅田真央選手の結果は?

2007/12/16 12:42 Written by コジマ

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フィギュアスケートのシーズン到来を告げるグランプリ(GP)シリーズもいよいよ大詰め。今季の最終決戦GPファイナルは、荒川静香選手が金メダルを獲得した冬季五輪の開催地イタリア・トリノで行われた。残念ながら昨季の世界女王である安藤美姫選手は出場できなかったけど、昨年2月の五輪ではかなわなかった浅田真央選手(中京大中京高)とキム・ヨナ選手(韓国)の対決が、同じ舞台で実現することになったのだ。また、昨季世界選手権で銀メダルを獲得した高橋大輔選手(関大)にも、初優勝の期待がかかっていた。

12月14日に行われた女子ショートプログラム(SP)では、浅田選手がまさかの最下位。演技冒頭のフリップとループの2連続3回転で手をつき、3回転ルッツは踏み切りが切れず跳べなかった。今季の浅田選手は、ルッツを逆のエッジで踏み切る「フルッツ」の審査を厳しくした新採点方式に苦しんでいたのだけど、ファイナルでもルッツを意識して伸び伸びと滑れなかったようなのだ。SPで最下位になるのはシニアデビュー後初めてのことで、試合後のインタビューでは「どうしてか分からない。ルッツが跳べなくて動揺してあまり覚えていない」(スポーツニッポンより)と混乱している様子だった。

キム選手は冒頭の2連続3回転を失敗したものの、抜群の演技力が評価され64.62点で首位。シリーズで自己ベストを連発した中野友加里選手(早大)は、冒頭の連続3回転が不正な踏み切りで減点されて59.78点の4位にとどまった。中野選手については情感豊かな演技力が観客から評価され、低い得点にブーイングが出たのだけど、本人は「全体としては流れはよかったけど、2連続3回転がないので妥当な点数」(スポーツ報知より)と納得していたのだ。

SPを終了した時点での順位は、1位キム選手(64.62点)、2位キャロライン・ザン選手(米国、61.82点)、3位カロリーナ・コストナー選手(イタリア、59.86点)、4位中野選手(59.78点)、5位キミー・マイズナー選手(米国、59.08点)、6位浅田選手(59.04点)。1位から6位までが5.58点差内にひしめく接戦で、浅田選手の逆転は十分に考えられたのだ。

こうして迎えた15日の女子フリーでは、第1滑走の浅田選手が2連続3回転や3回転半(トリプルアクセル)など11度のジャンプを次々に成功させ、自己ベストに次ぐ歴代3位の132.55点を記録。後に滑る全選手にプレッシャーを与えた。しかし、キム選手も転倒しながら歴代4位の132.21点をたたき出し、フリーの首位は浅田選手に譲ったものの、合計196.83点(歴代5位)でGPファイナル連覇を果たしたのだ。浅田選手はSPでの点差をほとんど縮めることができず合計191.59点で総合2位、3回転半を成功させながらも3回転トゥループで転倒した中野選手はフリー5位(113.18点)、合計172.96点の総合5位で終わった。

一方、男子では、14日のSPで首位(84.20点)に立っていた高橋選手と2位(83.80点)のステファン・ランビエル選手(スイス)との一騎打ちとなった。15日のフリーで高橋選手は4回転を成功させるも、演技点がランビエル選手に及ばず154.74点で2位。総合でもわずか0.16点差で2位となり、ブライアン・ジュベール選手(フランス)に敗れた昨季に続いてあと一歩で金メダルを逃した。高橋選手は「優勝したかった。情けない。最初の4回転ができなくて(3回転になって)頭が真っ白になった。大きなミスはなかったけれど、小さなミスが重なった」(サンケイスポーツより)と語り、悔しさをにじませていたのだ。

日本勢は男女ともにライバルに敗れてしまったのだけど、「世界一決定戦」などと喧伝されているGPファイナルの格式は、実はそれほど高くない。浅田選手が「不安だったジャンプが跳べたので次につなげられたらいい」(日刊スポーツより)と話しているように、出場が確実となった来年3月にスウェーデン・イエーテボリで開かれる世界選手権に向けて、課題のルッツ克服が見えてきたことは大きな収穫なのだ。また、同じく世界選手権への出場の内定を手にした高橋選手もランビエル選手との差が縮まってきているので、今季は期待できそう。

ただ、シリーズでもそうだったけど、今回のSPでの浅田選手とキム選手、フリーでのキム選手の得点には各所から疑問の声が上がっており、ジャッジへの不満は高まる一方。選手たちの素晴らしい演技を台なしにする採点は、ぜひとも改善してほしいのだ。


☆2007年GPファイナル結果

【女子】
1位 キム・ヨナ(韓国) 196.83
2位 浅田真央(中京大中京高) 191.59
3位 カロリーナ・コストナー(イタリア) 178.93
4位 キャロライン・ザン(米国) 176.48
5位 中野友加里(早大) 172.96
6位 キミー・マイズナー(米国) 154.22

【男子】
1位 ステファン・ランビエル(スイス) 239.10
2位 高橋大輔(関大) 238.94
3位 エバン・ライサチェク(米国) 229.78
4位 ジョニー・ウィアー(米国) 216.16
5位 パトリック・チャン(カナダ) 208.13
6位 ケビン・バン・デル・ペレン(ベルギー) 189.52

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