「イカ天」17年ぶりに特番で復活、約100組の秘蔵VTRで振り返る。

2007/12/04 20:14 Written by コジマ

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ヒップホップやR&Bに加え、レゲエ(ダンスホール・レゲエ)が台頭している日本の音楽シーン。こうした音楽の多様化は大歓迎だけど、バンド好きにとってはちょっと物足りないものがある。UKの音楽シーンをうらやみつつ、再びバンドブームが日本に吹き荒れないかなと密かに期待しているのだ。それでも、QOMOLANGMA TOMATOやミドリなど面白いバンドも出てきているのだけれど。

これまで何度か日本を席巻したバンドブームの中で、最も近い時期に起こったのが1980年代〜90年代前半の「第二次バンドブーム」と呼ばれるもの。BOOWYやTHE BLLUE HEARTS、ユニコーン、プリンセス・プリンセスなど、そうそうたるバンドがデビューしている。その第二次バンドブームを一端を支え、社会現象までになった番組といえば、ご存じ「平成名物TV 三宅裕司のいかすバンド天国」。アマチュアバンドが「イカ天キング」「グランドイカ天キング」の称号を目指して競う内容で、当時中学生だったぼくも深夜番組ながら毎週、熱くこの戦いを見守っていたのだ。「ねるとん紅鯨団」や「夢で逢えたら」とともに、土曜日の黄金コースだったなあ。

その「イカ天」が、12月30日に一夜限りながら復活することになった。2時間半の特番で、タイトルは「あの伝説の番組再び!“イカ天2007復活祭”名物バンド激レア映像 今夜限りの大放出スペシャル」。司会を務めていた三宅裕司や相原勇のほか、番組からメジャーデビューしたBEGINやたま、FLYING KIDSのメンバーらが出演し、当時のVTRを見ながら約2年間の熱狂を振り返るのだとか。VTRはおもな出演者を網羅した約100組分が流されるというから、番組を見ていた人にとって懐かしい内容になりそう。

「イカ天」出身バンドを見てみると、上記の3バンドをはじめ、JITTERIN'JINN、人間椅子、マサ子さん、宮尾すすむと日本の社長、NORMA JEAN、カブキロックス、マルコシアス・バンプ、LITTLE CREATURES、BLANKEY JET CITYなど、現在も活動しているバンドや、解散してもメンバーが第一線で活躍しているケースが多いことに驚かされる。また、デビュー前のGLAYや元THE YELLOW MONKEYの菊地兄弟が出場していたこともファンの間では有名な話なのだ。

こうした多くのバンドを世に送り出し、「輝く!日本イカ天大賞」やライブイベントなども開催、89年の流行語にも選ばれるなど一世を風靡した番組だったのだけど、バンドブームの終焉やレコード会社の戦略の一環となってしまったことから90年12月に約2年で終了した。たしかに、後半は魅力的な内容が維持できていなかったのだ。

それでもファンの人気は現在も衰えることがなく、サブカルチャー誌でちょくちょく特集されているほか、05年にはソニー・ミュージック・ダイレクトの「30-35」シリーズから『「イカ天」特集』というオムニバスCDがリリースされている。しかし、番組終了後の特番は91年の元日に放送されたもののみ。今回は、実に約17年ぶりの復活なのだ。

TBSは「視聴者の反応次第では何らかの次の企画を考えたい」(スポーツニッポンより)としているので、今後も特集されることに期待しつつ、まずは今回の特番に注目したい。相原勇の「次のバンドは、このバンドだい!」という懐かしいフレーズも聞けるかな。

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