「XPに戻して幸せ」アップルのVista揶揄した米国向けCMが話題に。

2007/11/16 19:25 Written by コジマ

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パソコンの世界で長らく続いているマイクロソフトのOS(基本ソフト)「Windows」マシン vs. アップル「Macintosh」の構図。圧倒的シェアを誇るWindowsマシンユーザーにとってMacは“プロ向け”感がただよっていたので、デザイン性の高さにひかれながらも、なかなか手が出せずにいたのだ。

ところが、1998年に「iMac」が登場すると若い女性を中心に購入者が増え、「iTunes」の爆発的人気によって移行者が増加しているという。調査会社のBCNによれば、10月に発売した新OS「Leopard」が猛烈な人気となっていて、国内OS販売シェアが65.2%を記録。前月(9月)は17.4%というから、急激に伸びていることが分かるのだ。J-CASTニュースでは「ブートキャンプ機能により事実上、Windowsが使えるようになったことが大きい」としている。

一方、マイクロソフトは新OS「Windows Vista」への移行に大苦戦。09年後半から10年にリリースされる予定の次期版(開発コード名「Windows 7」)の発売まで、「Windows XP」のアップグレードを控えている企業が続出しているそうなのだ。上記の調査によると、マイクロソフトの国内OS販売シェアは9月の75.3%から10月には28.7%に急落している。こうした中で、アップルが米国向けに放映しているWindows Vistaを揶揄するようなCMが、ネットで話題になっているのだ。

アップルでは、これまでもWindowsを攻撃するようなCMを世界で放送しており、日本でも昨年11月からお笑いコンビのラーメンズを起用し、「パソコン」さんと「Mac」さんが登場するシニカルなCMを放送している。海外ではもっと強烈で、英国版ではパソコンさんを見るMacさんの表情がより冷淡になっているのだ。ちなみに、日本版のCMは、「ホームページを作る人のネタ帳」というブログの「アップルがマイクロソフトに喧嘩を売り続けているCMまとめ」という記事でラインアップが紹介されている。

今回話題になっているのは「Podium」と題されたCMで、「DON'T GIVE UP ON VISTA!(Vistaをあきらめるな!)」と書かれた演壇にスーツ姿で向かっているパソコンさんが「プリンタがVistaに対応してないなら、新しいものを買いなさい!」「Vistaがあなたのために何ができるのではなく、どうやったらあながVistaを買えるかを聞きなさい!」と演説調に激しく訴え、それを横で聞いていた普段着のMacさんが「ワオ、それって本気で言っているの?」と訪ねると、小声で「3週間前にXPに戻して、前よりハッピーになったよ」と打ち明けているのだ。

これに対してネット上では、「アメリカらしくてイイ」「お言葉ですが、アップルよりもマイクロソフトの方がユーザー思いだろ」など、賛否両論が展開されている。米国らしく過激な内容だけど、こうした手法は日本人には受け入れられないというのかもしれない。

CNET Japanによると、マイクロソフトは「Appleのようなマーケティングキャンペーンを打ち出すべきだと考えているわけではない」としているようだけど、実質的にWindowsが使えるようになった「Leopard」が大躍進しているだけに、油断していると足元をすくわれそうなのだ。

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