30年以上の歴史を誇る米週刊娯楽誌ピープル。世界初のニュース雑誌であるタイム誌の1コーナーから飛び出したこの雑誌は、娯楽誌ながらクオリティの高い情報を発信することで知られており、その発行部数は373万部（2006年、米誌バラエティ調べ）。日本の週刊誌で最大の発行部数を誇る「週刊文春」（文藝春秋）でも80万部足らずなので、人口比を考えてもいかに多くの人に読まれているかが分かるのだ。

そのピープル誌が毎年行っている企画で、世界の女性が注目しているのが「最もセクシーな男性（The Sexiest Man Alive）」。22回目を迎えた今年も100人のイケメンたちがノミネートされていたのだけど、この中から、現在公開中の映画「ボーン・アルティメイタム」に主演している俳優のマット・デイモンが初の栄冠を手にしたのだ。

85年に始まったこの企画は、88年に法律家のジョン・F・ケネディJr.が選ばれたことがあるのだけれど、初代のメル・ギブソンやトム・クルーズ（90年）、デンゼル・ワシントン（96年）、ジョニー・デップ（03年）など、おもにハリウッドスターから選ばれるのが特徴。昨年に受賞したジョージ・クルーニーは、ブラッド・ピットとともに2度選ばれているのだ。

今年の候補者の中でも、同誌が推したのは以下の14人（カッコ内は近作、*は受賞経験者）。

マット・デイモン（37歳、「ボーン・アルティメイタム」）
パトリック・デンプシー（41歳、ドラマ「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」）
ライアン・レイノルズ（31歳、「スモーキン・エース／暗殺者がいっぱい」）
ブラッド・ピット*（43歳、「ジェシー・ジェームズの暗殺」）
ジェームズ・マカヴォイ（28歳、「ラストキング・オブ・スコットランド」）
ジョニー・デップ*（44歳、「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」）
デイヴ・アナブル（28歳、ドラマ「ブラザーズ＆シスターズ」）
ウィル・スミス（39歳、「アイ・アム・レジェンド」）
ハビエル・バルデム（38歳、「コラテラル」）
シェマー・ムーア（37歳、ドラマ「クリミナル・マインド FBI行動分析課」）
ベン・アフレック*（35歳、「スモーキン・エース／暗殺者がいっぱい」）
エイドリアン・グレニアー（31歳、「プラダを着た悪魔」）
ウィル・ユン・リー（32歳、「エレクトラ」）
ジャスティン・ティンバーレイク（26歳、『フューチャー・セックス/ラヴ・サウンズ』）

この中からマット・デイモンを選んだ理由として、ピープル誌は「圧倒的なユーモアセンス、岩のように固く家庭的なところ、心をとろかせるような謙虚さ」を挙げている。受賞に対してマット・デイモンは「郊外に住み、年を重ねている父親のわたしだが、人生で最高に自尊心が高まっている。9歳の継娘も、わたしがクールになったと思ってくれている」（CNNより）と、喜びを語っているのだ。

「オーシャンズ13」や「ボーン・アルティメイタム」が大ヒットし、ハリウッドの「ウォーク・オブ・フェイム（名声の歩道）」にその名前が刻まれた今年、「最もセクシーな男性」にも選ばれたことで、マット・デイモンにとって最良な1年となったのではないだろうか。