浦和レッズが「県民の日」にアジアの頂点へ、日本勢初のACL制覇。

2007/11/14 22:57 Written by コジマ

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ギド・ブッフバルト監督のもと、昨季に初のJリーグ年間王者に輝いた浦和。天皇杯も2連覇し、06年は浦和が大活躍のシーズンだったのだ。ホルガー・オジェック監督に代わった今季も、11月11日(第31節)現在で1位となっており、連覇が期待されているのだ。

その年間王者と天皇杯覇者の成績を引っさげて、昨季年間準優勝の川崎とともに参加したのがアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)。前身のアジアクラブ選手権時代には98-99年に磐田が優勝しているのだけど、アジアカップウィナーズカップやアジアスーパーカップと統合された02-03年からは、日本勢はいずれもグループリーグで敗退している。

しかし今季は、浦和、川崎ともにグループリーグを1位で通過し、決勝トーナメントに進出した。イラン代表のセパハンと1回戦(準々決勝)を戦った川崎はPK戦の末に敗れてしまったのだけど、浦和は全北現代モータース、城南一和天馬と韓国代表を次々に破り、決勝まで駒を進めたのだ。

決勝の相手は、川崎を破ったセパハン。11月7日に敵地で行われた第1戦は1-1のドローで、アウエーゴール・ルールから第2戦で引き分けても0-0なら優勝が決まる有利な状態だった。しかし、11日のJリーグ第31節川崎戦でエースのワシントン選手が骨折した鼻を再び痛め、MFの阿部勇樹選手も腰痛が悪化したため途中交代、左太もも痛で第1戦を欠場したDFの田中マルクス闘莉王選手など、不安要素も少なくなかったのだ。

こうして迎えた14日の第2戦、奇しくも「埼玉県民の日」と重なったこともあり、Jリーグ1を誇る熱狂的なサポーター5万9034人が埼玉スタジアムを埋め尽くした。この数字は、ACL史上最多観衆(5万5000人)を更新するものだったのだ。

闘莉王選手が先発復帰した浦和は前半22分、相手DFのミスからFWの永井雄一郎選手が相手GKの手を弾き飛ばすようなシュートを放って先制。後半はセパハンの攻撃に苦しみながらも、26分に永井選手のシュートを相手GKが弾いたところで阿部選手が頭で押し込んで2点目を挙げ、結局2-0でACL初となる日本クラブの王者に輝いたのだ。

先制ゴールを決めた永井選手は「最高です。1点取りたかった。『入れ』という強い気持ちで打ちました。応援に来てくれて、熱い声援を送ってくれたサポーターのおかげ」と喜びを語り、オジェック監督は「スタジアムに来てわれわれを熱く応援してくれたサポーターの皆さん、ありがとう。チームのみんな、おめでとう」(ともにサンケイスポーツより)と、ファンへの感謝とともに選手を称えていた。

地域密着を目指してきた浦和。地元サポーターにとって、「県民の日」の最高の贈り物となったのではないだろうか。ちなみに、この日は最寄りである埼玉高速鉄道の浦和美園駅の発車ベルが、公式サポーターソング「KEEP ON RISING」に変更されたのだとか。

ACL制覇によって、12月7日から国立競技場などで行われるクラブワールドカップ2007への出場権も手にした浦和(開催国チームがACL代表となったので、開催国枠は準優勝のセパハンとなった)。息をつく間もなく、今度は世界王者を目指す戦いが始まるのだ。

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