今年はハリウッド映画の興行収入好調、洋画が邦画の「王座」奪還へ。

2007/11/12 05:22 Written by コ○助

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昨年の日本の映画界は、全体的に不作だったハリウッド映画に比べて邦画がヒット作を連発。「ゲド戦記」(76.5億円)、「LIMIT OF LOVE 海猿」(71.0億円)、「THE 有頂天ホテル」(60.8億円)、「日本沈没」(53.4億円)、「デスノート the Last name」(52.0億円)、「男たちの大和/YAMATO」(50.9億円)と、50億円ラインを超えた作品が5作品も並び、実に21年ぶりに年間興行収入が「邦画>洋画」となる歴史的な年だったなりよ。近年の邦画はその芸術性が海外から高く評価され、名だたる映画賞を受賞しながら、「日本人が邦画を観ない」というギャップが生じていたなりが、昨年は娯楽作品に良作が揃ったおかげで、再び邦画を観に劇場に足を運ぶ人が急増したなりね。芸術性の高い作品と娯楽性の強い作品。この両輪がうまく機能しているのが、今の邦画を取り巻く状況なりよ。

あれから1年。今年も年末が近くなり、そろそろ同じような話題が出てくる頃なりが、産経新聞によると、今年は洋画に大ヒット作品が多かったことから、再び「邦画<洋画」に落ち着く見込みのようなりよ。参考までに、邦画と洋画、それぞれの興行収入ベスト5を見ておくと。

◎邦画興行収入成績(2007年)
78億円 「HERO」
50億円 「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」
41億円 「西遊記」
40億円 「武士の一分」
35億円 「映画ドラえもん/のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜」

◎洋画興行収入成績(2007年)
108億円 「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」
88億円 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」
70億円 「スパイダーマン3」
50億円 「硫黄島からの手紙」
40億円 「トランスフォーマー」

まだ年末まで2か月弱あるので、もう少し上積みされる作品もありそうなりが、現時点では洋画上位に名を連ねた「続編モノトリオ」の奮闘もあり、洋画が邦画を上回ることが確実な情勢となっているなりね。ただ、パッと見ても分かるとおり、洋画好調だったことよりも、昨年ほど邦画がヒット作品を輩出できなかったことが「邦・洋逆転」を生んだ大きな理由と言えそうなりよ。

今年の上位5作品に、メディアの食いつきもファンの反響も良かった「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」が入っていないのを意外に感じる人もいるかもしれないなりが、かなり公開規模が狭かった(かつ公開期間が短かった)ため、上位には顔を出していないなりね。来年は4部作の2作目にあたる「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」も公開されるだけに、その成功を占う意味でも最終的に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」がどの程度の興行収入に落ち着くのか、気になるところなり。

ちなみに、来年公開予定の邦画で、50億円規模の興行収入が期待されるのは、宮崎駿監督の新作「崖の上のポニョ」は鉄板として、ほかにヒット作「少林サッカー」の続編にあたる「少林少女」(主演:柴咲コウ)、高視聴率ドラマの最終章「花より男子〜ファイナル〜」(主演:井上真央)、大人気マンガを堤幸彦監督が実写化する3部作の第1章「20世紀少年」、劇団ひとりのベストセラーを岡田准一&宮崎あおい主演で描く「陰日向に咲く」、定番ながら安定した興行収入が見込める「ドラえもん のび太と緑の巨人伝」、三谷幸喜監督の待望の新作「ザ・マジックアワー」などなど。これらはほんの一部でしかないなりが、ひょっとすると昨年と同じくらいヒット作が並ぶかもしれないという、ワクワク感のあるラインアップなりよ。

せっかく21年ぶりに掴んだ「王座」を、たった1年で手放すことになりそうな邦画。来年は再び洋画から奪還できるかどうか、皆さんもぜひご注目を。

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