広島の新井貴浩内野手が涙のFA宣言「つらいです、つらいです」。

2007/11/08 14:24 Written by コ○助

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生え抜きの主砲として、今季も144試合に出場、打率.290、28本塁打、102打点の成績を上げている広島の新井貴浩内野手。本塁打王を獲得した2005年には43本も放った長打力は素晴らしく、北京五輪を目指す星野ジャパンでも4番を任される可能性が高いなど、誰もが認める球界を代表するスラッガーだ。今季は選手会長を任され、また、「投の主軸」黒田博樹投手と共に「打の主軸」として活躍するなど、低迷するチームを鼓舞し、支えてきた。

しかし、8月21日にFA資格を取得してから、新井選手は苦悩の日々を過ごすことに。もともと広島県出身で、子どもの頃から大のカープファン。大学時代に芽が出なかったにも関わらず、広島がドラフト6位で指名してくれたからこそプロ野球の世界に飛び込むことができ、また、球界を代表する選手に育ててもらったとの思いがある新井選手は、当初は広島に残留する以外の選択肢を用意していなかったとも言われている。これはここ数年、シーズンオフに「もしFA資格を取得したら……」とのメディアの質問に、「生涯カープの一員です」との受け答えをしていたことからも明らかだ。

ところが、広島は10年連続Bクラスと低迷。今季も最下位こそ免れたものの、60勝82敗2引き分け、4位の横浜に10.5ゲーム差を付けられての5位と、ほとんど良いところなく終わってしまった。新井選手が広島に入団したのは1999年、それはイコール、一度もAクラスを経験していないということを意味している。そして、シーズン終盤から「投の主軸」の黒田投手がメジャー移籍をするのでは……との報道が過熱していく中で、来季以降、どのようにチームを強くしていくのかというビジョンが見えなくなってしまったことが、新井選手を苦しめていったようだ。

そして迎えた11月8日、新井選手はついにFA権の行使を表明。記者会見では「つらいです。つらいです。カープが大好きなんでつらかったです。もうカープのユニホームを着られないのが寂しい」と大粒の涙をこぼしながら、苦しい胸の内を説明したなりよ。結局、「優勝争いをしたい」「優勝をしたい」という、プロとして誰もが抱く感情が、広島への愛着を上回ったようだ。

新井選手は予め「FA権を行使したら残留はしない」と話しているため、これで広島からの退団は決定。現在のところ獲得に名乗りを上げているのは阪神のみで、ほとんどのメディアが「阪神入り」と報じている。

「FA移籍」という新井選手の決断について、広島ファンからは当然のように辛辣な意見が続々。mixiの「広島東洋カープ」コミュニティでは「失望した」「本当にがっかり」などの率直な感想のほか、「二度と顔も見たくない」といった声も。また、「アンチ新井貴浩」なるコミュニティもできている。

新井選手の移籍先選びは、FA交渉が解禁となる14日から。阪神は4年総額10億円の条件を持って、星野ジャパン(新井選手も参加中)がキャンプをしている宮崎に球団首脳が飛ぶ予定だと伝えられている。新井選手が次にどのような決断をするのか、注目しておきたいところだ。

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