米誌タイムがホラー映画ベスト25発表、三池崇史監督作品が3位に。

2007/11/02 22:14 Written by コジマ

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お彼岸を過ぎてそろそろ怖い話には寒い季節のような気がするけれど、キリスト教(カトリック)にとって「諸聖人の日」であるハロウィンに続いてやってくる11月2日は「死者の日」。この日に合わせて、米誌タイムが過去のホラー映画のベスト25作品(Top 25 Horror Movies)を発表したのだ。

1位に選ばれたのは、クエンティン・タランティーノ×ロバートロドリゲス監督の「グラインドハウス」で存在しない映画の予告編「Don't/ドント」を手がけたエドガー・ライト監督の「ショーン・オブ・ザ・デッド」。「ゾンビ」のパロディ作品でコメディやラブストーリーを含めたホラー映画として英国では大ヒットした。日本では劇場未公開なのだ。

2位は、ハンニバル・レクター博士シリーズの第3作「レッド・ドラゴン」がランクイン。レクター博士は米映画研究所の調査で映画史上の悪人ナンバー1に選ばれているので、納得の順位かも。アンソニー・ホプキンスの恐ろしさが強調されるけど、エドワード・ノートンやハーヴェイ・カイテルらの名演や緻密なストーリーにも注目なのだ。

3位には、なんと三池崇史監督の「AUDITION〈オーディション〉」が選ばれた。映画のオーディションを受けにきた女性の中から再婚相手を探そうとする中年男性(石橋凌)に迫る恐怖体験を描いたサイコホラー作品なのだけど、同誌は作品を「登場人物の感情が生々しく伝わってくる」と評し、三池監督については「グロテスク作品の達人」としている。

そのほか、「悪魔のいけにえ」や「エクソシスト」、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/ゾンビの誕生」、「キャリー」などの名作ホラーが名を連ねているのだけど、ぼくが幼い頃に見て恐怖と吐き気をもよおした「ゾンビ」や「死霊のはらわた」が入っていないのはちょっと意外かも。

また、日中戦争での731部隊(細菌戦部隊)の実態を描いたといわれる香港映画「黒い太陽731」や、リメイクのほうの「ザ・フライ」、「エイリアン」、「ジョーズ」、「サイコ」などの完全なホラー映画ではない作品も多くランクインしている。

最も意外だったのは、ディズニーアニメ作品の「バンビ」と、映画黎明期の1895年製作のフランス映画「列車の到着」。「バンビ」は母ジカが突然死ぬことが子供に恐怖を与えるとしており、リュミエール兄弟の「列車の到着」は、走ってくる汽車に観客が驚いて泣き叫びながら逃げるほどの混乱を引き起こしたのだそう。そのシーンは「YouTube」で見られるのだけど、映画に慣れていない(もちろんテレビも)人たちにとって、迫りくる汽車は「ホラー」以外のなにものでもなかったようなのだ。



☆ホラー映画ベスト25 (タイム誌調べ)

1. ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年、エドガー・ライト監督、英国)
2. レッド・ドラゴン(2002年、ブレット・ラトナー監督、米国)
3. AUDITION〈オーディション〉(2000年、三池崇史監督、日本)
4. ブレインデッド(1992年、ピーター・ジャクソン監督、ニュージーランド)
5. 黒い太陽731(1988年、ムー・トンフェイ監督、香港)
6. ザ・フライ(1986年、デヴィド・クローネンバーグ監督、米国)
7. エイリアン(1979年、リドリー・スコット監督、米国)
8. ハロウィン(1978年、ジョン・カーペンター監督、米国)
9. キャリー(1976年、ブライアン・デ・パルマ監督、米国)
10. ジョーズ(1975年、スティーヴン・スピルバーグ監督、米国)
11. 悪魔のいけにえ(1974年、トビー・フーパー監督、米国)
12. エクソシスト(1973年、ウィリアム・フリードキン監督、米国)
13. ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/ゾンビの誕生(1968年、ジョージ・A・ロメロ監督、米国)
14. 血の祝祭日(1963年、ハーシェル・ゴードン・ルイス監督、米国)
15. 血ぬられた墓標(1960年、マリオ・バーヴァ監督、イタリア)
16. サイコ(1960年、アルフレッド・ヒッチコック監督、米国)
17. 血を吸うカメラ(1960年、マイケル・パウエル監督、英国)
18. ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956年、ドン・シーゲル監督、米国)
19. 悪魔のような女(1955年、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督、フランス)
20. バンビ(1942年、デヴィッド・D・ハンド監督、米国)
21. 怪物團(1932年、トッド・ブラウニング監督、米国)
22. フランケンシュタイン(1931年、ジェームズ・ホエール監督、米国)
23. オペラ座の怪人(1925年、ルパート・ジュリアン監督、米国)
24. 吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年、F・W・ムルナウ監督、ドイツ)
25. 列車の到着(1895年、ルイ・リュミエール/オーギュスト・リュミエール監督、フランス)

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